2001年 2月25日
通巻 1069号

 

 アメリカに人権を語る資格はない。「えひめ丸」が「グリーンビル」に沈没させられた根底には、白人の有色人種に対する差別思想がある。彼らは原住民インディアンの大量虐殺から、広島・長崎の原爆殺戮、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、コソボ、イラク空爆に至る、非戦闘員・住民の大量虐殺を歴史的にやってきた。

 

 米特使の遅ればせな謝罪来日は、沖縄米軍の犯罪続出に加えて、急速に高まる日本の反米感情を警戒したブッシュ新政権の偵察行為でしかない。今や日米関係は、この「えひめ丸」の一件で自民政権が揺らぐほど危機的状況にある。米経済バブル崩壊に連動した同時株安の流れは止まらず、日本の政治破局は経済破局を誘導しかねない。

 

 今、東アジアの民衆レベルの闘いは、冷戦時代の日米帝国主義支配からの脱却と自立だ。韓国では朝鮮戦争下の米軍・李承晩軍によるパルチザン、住民大量虐殺の掘り起こしと戦後補償の住民運動が起きている。それは日帝支配から連動した冷戦犯罪の告発だ。朝鮮南北和解はアジア平和の結節点だ。

 

 21世紀の日本はどちらを向いて進むのか。アジア平和共存の道か、日米軍事ブロック従属か。両者二股はありえない。アジア人民への戦争責任、戦後責任をきっちり果たして再出発するしかない。     (F)

 

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