2001年
2月5日
通巻 1067号
警視庁が、外務省の松尾の内定を始めたのは、1年近くも前だった。実名の8つの銀行口座の動きは簡単に調べがついた。愛人は警視庁の事情聴取に、金の動きをすべて供述していた。現場の捜査員が、本人の逮捕・取り調べで立件は難しくないと確信した昨年12月、突如、捜査にストップがかかる。
「警察庁と外務省のトップで話がついた。捜査は終了だ」と。外務省は、急きょ、松尾を1月1日付で在外大使館に出向させる人事を内示。犯人の海外逃亡を外務省が画策したのだ。
元日付朝刊の読売新聞のスクープは、こんな外務省の思惑をぶち壊した。それから1ヵ月。「外交機密費」と称する税金が、政官のどす黒いくされ縁の中で、遊興に賄賂に蓄財につかみ取りされている実体が明るみに出てきた。
外務省、官邸、警察幹部が必死に隠蔽しようとしたのは、実は松尾の犯罪ではなく、自分たちが続けてきた、自分たちの犯罪に他ならない。未だに逮捕されない松尾の身柄とその口を、必死に守り塞いでいるのは、機密費をむさぼってきた政官の中枢幹部たちなのだ。
一ノンキャリ官僚にすべての責任をかぶせるには根が深すぎる。腰抜け野党に攻め切る迫力があるのなら、自公保の連立政権などひとたまりもあるまい。構造腐敗なのだから。 (M)
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