2000年 11月15日
通巻 1060号

 「ロシアの選挙管理チームを派遣しようか」とプーチンがにやけて言えば、ドイツ紙は「旧石器時代に逆戻りしたのか」と書きたてた。前代未聞、空前絶後のアメリカ大統領選挙が今も続いている。開票は機械集計から手集計に継続。投票用紙の不備、紛失までゾロゾロ出てきて、訴訟合戦も始まった。

 「大接戦」ではなくて「大凡戦」の結果だろう。アメリカ国民も世界のメディアも、「誰が米大統領になるのか」ではなく「どっちが米大統領になるのか」に興じて毎夜のニュースショーを楽しんでいるようだ。

 支持率が20%を割り込んだ日本の首相が、あいかわらずのん気にラグビー観戦している間に、加藤紘一が倒閣を決意してしまった。自民党は、いよいよ内実ではなく外見からも解体への一歩を踏み出したようだ。

 グローバルスタンダードなんぞ、今度のアメリカ大統領選の内幕程度のおそまつさ。アメリカ民主主義なんて地に足をつけて見てみたら屁みたいなものなのだ。自民党なんて構造的に時代への適応性を喪失しきっている。森だの、野中だの、青木だの、あんな頭で判ったように振る舞える時代はとうに終わった。

 事前の基準をつくっていこう。自分たちの生き方の基準は自分たちの頭で考えていこう。世界の地平に眼を広げて、自分たちの足元を強く、豊かに。 (M)

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