2000年 11月5日
通巻 1059号
日本共産党が路線転換したらしい。前衛党をやめるらしい。ゆくゆくは綱領も党名も変わるらしい。このことはどうでもよいのだが、一つ解せないのは、この変化を「共産党が社民化した」と評する向きがあることである。どうも日本には、前衛党が現実路線化すると社民政党になる、との風評があるようである。それは、社民主義を根づかしてきたヨーロッパの人たちに失礼ではなかろうか。
そもそも日本の左翼に社会民主主義なるものが存在したのだろうか。民社党は論外として、実態は兎も角も社会党は前衛党を名乗っていた。党名変更で「社会民主党」にはなってはいるが、「情報公開は社民主義の根幹」などの発言があるようでは、多分、社民主義政党ではあるまい。要するに、日本には社民主義など存在したためしがなにのだ。それなら、社民化もへったくれもないではないか。
既成政党に限らず、市民派だか何だかも、少し調子が悪くなると何か別の新しいものに変わった振りをする向きがある。変わるなら変わるで、それ以前のことをちゃんと白日の下で総括し、だから変わるのだと示すべきべきである。日本の社民化主義者ほど無責任な奴はいないのだから、社会から放逐してしまえばいいのだ、と思う。 (K)
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