2000年 10月15日
通巻 1057号

 シドニー五輪に出場した、NBA(アメリカプロバスケット)の選抜チーム、ドリームチームWが、観客から大ブーイングをあびた。予定どおり金メダルは獲得したものの、試合は予想外の接戦続き。ドリームと呼ぶにはほど遠い内容だった。

 「自分達のバスケットだけが本物だ」という鼻もちならないごう慢さが随所に表れ、公平なはずの審判すら完全に敵にまわすお粗末さ。観客は相手チームの応援で盛り上がり、超高給取りばかりを集めたNBAの主力選手もイラ立ちとあせりからミスを連発。必死の形相で審判につめよる監督のおおげさなジェスチャーが失笑すら買う始末だった。

 世界でアメリカが反発を買っている。全世界で高まりつつある反米気運は一過性ではあり得ない。「己だけが世界の基準だ」というごう慢、無恥、下劣、低俗な振る舞いが、全世界の反発の火に油を注いでいるのだ。

 ミロシェビッチを打倒したセルビアの人々。イスラエル軍に投石で立ちむかうパレスチナの人々。エジプトでヨルダンで、クリントン打倒を叫ぶアラブの人々。自分達の国は自分達の力と知恵でつくるという、あたりまえの道理を踏みにじるアメリカへの怒りは広がるばかり。

 日本の首相だけがのんきに宴会ざんまいらしい。いや若者も携帯片手に親指の運動にあけくれている。

 そんな時代は早晩終わる。おこたるまじ、戦いの準備を。              (M)

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