2000年 9月15日
通巻 1054号

 田中康夫氏が、今秋の長野県知事選に出るらしい。「対岸の火事」的に、批判がましいのはいかがとも思うが、「神戸での市民運動の経験…」などの下りを見ると、少々言いたくなる。有名人としてさっそうとやってきたのはいいのだが、いつ間にか「市民派」のレッテルに固執し、新社・共産をセクト主義とさげすみ、挙げ句に平成維新の会の傀儡と化して、「神戸空港の運動の焦点は東京」と、たわ言を繰り返して東京に飛んで帰ったまま帰ってこない輩を、小生はとうてい推す気にならない。

 しかしながら、長野県政の情況を聞いていると、県政の長期化・議会のオール与党化とのこと。新しい風を入れるという点で意味があるのかもしれない。だが、それでも思ったのは県内に適任の候補者はいなかったのかということである。有名人だからと安易に外部から連れてきてよいのだろうか。腐敗する県政の中で、田中氏を擁立した彼らは何をしていたのだろう。「白い手のファシズム」長野オリンピックに彼らは反対したのだろうか。

 田中氏を担いでいるのは「市民派」と呼ばれる人たちだという。「市民派」は「無党派」と並んで、マスコミにもてはやされる存在であるが、いまいち鵺のように思える。結局、田中新知事の横暴と、横に鎮座する「県内財界」の我がままと、支持した「市民派」の無責任に終わらないだろうか。長野のことは、ぜひとも小生のひがみで終わることを切に願う。              (K)

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