2000年 7月15日
通巻 1049号

 

 小さな喜びと大きな憂鬱を残して衆院選は終わった。この国の民主主義は進んでいるのだろうか。ひとつ提案をしたい。日常生活において「先生」などの上下呼称を一切使用しないことを。戦後50年を越えて、寝食を顧みず平和と民主主義のために闘ってきて、いまこの国が自公保政権によって支配されているざまをどう考えるか。これまでの革新運動を評価するなら、活動に費やした誇大なエネルギーに比べて日本社会が獲得した民主度のいかに低いことか。 

 民主主義とは国家・政治という分野での話と考えられてきた。選挙が民主主義を実践する唯一の機会だと今でも言われる。とんでもないことだ。選挙は日常社会の民主度の反映でしかない。民主主義とは、まず生活のあり方を言う。社会での人間関係、地域での人間関係、運動や趣味のグループでの対人関係、親族・家族の人間模様、団体や結社内の階層関係。この国の現状は、その生活基盤において、革新から保守まで封建的タテ構造のムラ社会でしかない。

 日々の生活で、人間関係に上下を持ち込む呼称を排除し、いかに対等と自立を身につけるか。私たちの社会がそれを獲得するまでは、代議制民主主義は寡頭政治のひとつの形式に過ぎない。住民参加・住民投票で本当の民主主義を学んでいきたい。    (雅)

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