2000年 5月15日
通巻 1043号
「医師の守秘義務」が口実となって、遂に小淵前首相の症状は、生前は一言も明らかにされなかった。1国の現職首相が突然意識不明の重体になって42日間、その容体を医師が全く説明しないまま政権は移譲された。死人に口なしとは、まさにこのこと。
それにしても、自民党の中枢に巣喰う政治家の程度の劣化は目に余る。発想の小ささ、工作の小手先さ、言動の幼稚さが近年、とみにひどくなってきた。そんな自民党に、軽くあしらわれている鳩山や菅、小沢も同質なのだ。
それは、1つの社会現象だとも言える。政治家はもとより、企業の経営者しかり、官僚しかり。果ては家庭の父親に至るまで、どうして、日本人はこんなに小さな人間ばかりになってしまったのだろう。そう言えば「小さくてもキラリと輝く政党」というのもあったっけ。
収縮の時代なのかもしれない。ならば、中途半端はつまらない。過去にしがみつき、その維持に汲々として小じんまりとするより、凝縮するまで、徹底的にちぢこまってみるのも良いのではないか。
凡人の後釜に、小器用に立ち廻って座った、凡人にさらに輪を掛けた凡人が、ほどほどの政治でお茶を濁せるるほど、時代はたやすくない。破綻は必至。
凝縮し、集中して1点突破をめざす。時間をかけ、人を育てる集中を持続する。持たざる者の強みはここにしかない。 (M)
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