2003年12月15日
通巻 1164号
JA全国女性組織協議会が、イラク派兵反対の要望書を政府に提出した。結成50年の伝統ある組織で、農村に元気を提供し続けているおかあちゃんたちの集まりである。自分たちの利害に関わる農業関係以外には、あえて政府とことを構えないことを旨とする農協グループの中にあって、この行動はかなり突出している。安全・安心の農産物を送り届けるためには、まず平和がなければならず、戦争には賛成しかねるというわけだ◆しかし、この行動は、WTO−FTAで進められようとしている農業つぶしが目の前にあることと無関係ではない。大義なきイラク戦争を自ら引き起こし、泥沼に引きづり込まれるアメリカと運命を共にすることを選んだ小泉政府に抗議することは、同時に農業の未来をグローバルスタンダードでしか見ることのできない政府への批判なのだ◆自由化は避けられないので、それに備えて農業の企業化−村つぶしを断行すると政府は言っている。国境を越えて競争することが戦争を引き起こし、環境を破壊し、家族農業を衰退させることが見えている。しかし、なぜこうした流れが止められないのか、これらの源は同じだ◆農村の女性が、イラク戦争と農業の自由化が同じ質の問題であることを発見したことは、日本の政治にとって大きなターニングポイントになる可能性があると思える。(I)
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人民新聞社
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