2003年12月5日
通巻 1163号
全ては競争原理から始まっている。何故競わねばならないのか 。優劣にどれほどの意味があるのか。いや、そもそも優劣なんて、一体どこで決められるものなのか。日本戦後史の決定的転換点に生きる一人の人間として、そのことを考えてみる◆小泉の頭の中に詰まっているのは自己顕示欲。ただそれだけ。他の自民党政治屋より、他の西側諸国の首脳より、どれだけ目立つのか。彼の頭は競争に勝つためにだけ動いているようだ。言葉の薄さ。人間性の薄さ。歴史認識の薄さ。そんな人物を首相としていただく日本の薄さを思う◆「一国平和主義を非難することが、自衛隊のイラク派兵の根拠だ」と小泉は言う。本質がアメリカ追随以外の何物でもないことは明々白々なのに。徹底した一国平和主義が徹底した非暴力主義と同じく、徹底した国際主義に通底するものである人類史の深さを、彼の頭は理解し得ない。競争に勝つことで頭がいっぱいだから◆小泉政権による自衛隊のイラク派兵の強行は、戦後日本が新しい戦争過程に足を踏み入れた転換点だ。その暴挙を批判しきれない日本を突き詰めると、日本を世界中のどこよりも色濃く覆いつくしている競争原理の深さに突き当たる。市場原理の深さに突き当たる◆闘いはこれからが本番。自身の安易さを振り落とし、精神をとぎすませ! (F)
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人民新聞社
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