2003年 4月15日
通巻 1141号
「巧言令色鮮矣仁」(こうげんれいしょくすくなしじん)。論語でおそらく一番有名な言葉だが、こういう言葉も死語となってしまった。「侵略」を「解放」と言い換え、「略奪」を「自由」と言い換えるアメリカ流の「巧言」が世界を覆い、誠実なる人々は、絶望感に打ちひしがれている。
パレスチナからつい先日帰国したジャーナリストは、「あの日、パレスチナの友人たちは皆黙りこくっていた」と伝えている。「あの日」とは、バクダッドが陥落した日のことだ。シャロンはさっそく、「パレスチナ和平の好機到来」をぶちあげた。曰く「イラクでの動きは、中東に衝撃を与え、大変革の可能性をもたらしている。(イスラエルが)アラブ諸国やパレスチナと異なった関係を形成する好機が存在する」。アメリカ「戦勝」の余勢をかって、侵略と虐殺を激化させようとの宣言だ。ここでも嘘つきがますます饒舌になり、誠実なる人々はますます寡黙になってゆく。
巧言令色のテクニックは、アメリカ社会では、肯定的に捉えられている。巧言令色の上手い人が「成功者」としてもてはやされる。この薄っぺらな価値観がアメリカを覆い、世界を覆いはじめた。むろん日本も例外ではない。小泉が筆頭だ。
統一地方選が後半戦を迎えた。ここはまさに巧言令色の極みの世界だが、投票率は下がり続け、誠実なる人々は、ますます寡黙になっていく。 (H)
人民新聞社
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