2003年 4月5日
通巻 1140号
残念ながらイラク戦争の長期化は避けられそうにない。米英の圧倒的な戦力への過信が招いた誤算であるが、たとえ戦力でフセイン政権を倒したとしても、世界は米英を「解放者」とは絶対に認めないだろう。世界の「ならず者」はフセインからブッシュに代わるだけのことである。
世界の反戦世論は政治も経済も動かし始めたようだ。隣の韓国でイラク派兵に待ったをかけているのは連日国会を取り巻く反戦デモであることは誰の目にも明らかである。イラク戦争長期化で世界の株価は下落している。かつて戦争は買いだったが、今は売りに転じた。
世界の反戦デモの規模も勢いも日に日に増大している。それに比べて日本の反戦デモの規模は桁違いに小さいし、緊迫感もない。若者や中高生の参加が目立っているのがせめてもの救いだ。組織や団体の上からの動員ではなく、仲間同士の声かけやインターネット情報による個人参加が主体であるのが新鮮だ。
春休みに入って中学生の孫が遊びに来たので「イラク戦争知ってるか?」と聞いたら、「知ってる」という。「デモに一緒に行くか」と誘ったら、文句を言わずについてきた。「戦争反対」のアクションが市民にとって自然体になるのを、この子どもたちに期待するしかない。
現実は楽観を許さない。このままだと日米同盟は世界にとってもアジアにとっても「悪の枢軸」になる。アジアの「ならず者」は金正日から小泉に代わるかもわからない (F)
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人民新聞社
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