2001年 12月5日
通巻 1095号
「20世紀の幕開けは、はなはだ幸先の悪いものとなった」とは、ロンドン留学中の夏目漱石の言葉。当時の覇権国・イギリスのビクトリア女王が死去したのが1901年。それに際しての言葉であった。その後間もなく、女王の孫・フリードリヒ2世(ドイツ)が覇権争いに参戦するに至って、何か予言めいた言葉となってしまった。
さて、押し詰まりつつあるが、21世紀の初年はどうであったろう。やはり「輪をかけてはなはだ幸先が悪いものとなった」と言わざるを得ない。唯一の超大国・アメリカが、「死なないため」(=覇権の確保のため)に世界中をのたうつ様は、「もう世紀末か」との様相を呈している。
言ってしまえば、アルカイダもムジャヒデインもイスラエルも、アメリカ(CIA)が産み落とした子どものようなものだ。それが、覇権国にちょっかいを出して「戦争」をまき散らしている。そして、このような「アメリカの申し子たち」は、まだまだ世界中に存在しているのだから始末に悪い。
果たして、歴史は繰り返されるのであろうか。しかし、2度目は「喜劇」になるのであるから、今を生きる我々にはたまったものではない。「腐ったアメリカなどくそ食らえ、どこかに捨ててしまえ!」今年最後の言葉としては、はなはだ後味の悪いものとなってしまった。
(K)
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人民新聞社
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