2001年 11月15日
通巻 1093号
焼肉屋にいったらずいぶん空いていた。狂牛病の発生以来、1ヵ月の売上は8割減だという。安全宣言からは5割減くらいだが、この先どうなるか心配だという。原因は、政府の対応のまずさにある。政府の姿勢は業界よりだという批判もある。マスコミが煽り立て、テレビが映像を流し続けたこともある。
しかし、自称「世界一」の検査体制以降の回復基調を見るにつけ、来春になると大部分の消費者は、この「事件」を忘れてしまう気がする。煽られたら踊る人々は煽ることをやめたら踊らない。風評被害と言われるゆえんだ。
忘れてならないのは、これからも異常プリオンは存在し続けるということだ。拡散の可能性のあるものは、133度C・3気圧・20分の条件のもとで処理されなければならない。しかし、これまですでに拡散してしまったものはもとには戻らない。土壌汚染が一番恐い。これからも肉食を前提とした食生活をし続ける限り、この問題から逃げられないと覚悟すべきだろう。
解決方法は2つある。もう肉は食べないこと、もうひとつは近代的な畜産を破棄し、有機的な畜産を復活させていくことだ。この狭い日本列島での自給を前提にすれば、生き物として大事に育てられたわずかな畜産物をわずかづつ分け合う食生活、それが展望だ。(I)
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人民新聞社
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