2001年 11月5日
通巻 1092号

 「原理主義」に対立する言葉は「世俗化」。イスラム教の世俗化がイスラム原理主義を生み出した。そして「世俗化」は市場経済の浸透と同義でもある。つまり、市場経済の地球的規模での拡張(グローバリズム)が世界中に原理主義を生み出したということなのだ。

 アラブ諸国で、最もイスラム原理主義者を数多く生み出している国が、サウジアラビアとエジプトであるという事実は、その真理を裏付けている。そして、中国のWTO加盟は、中国での毛沢東原理主義者の誕生を必然化させるにちがいない。

 「原理主義」の孤立もまた必然だ。そもそも体制化することと原理主義は相容れないものなのだろうから。そして、孤立は決して原理主義の消滅を意味しはしない。タリバーン政権の崩壊がイスラム原理主義の消滅を意味しないごとくに。

 世俗化の権化、ブッシュにその歴史の真理を理解する知性は無い。アメリカ全体が、不安をヒシヒシと感じながら流れているかのようだ。ソ連崩壊後の弛緩の中で、傲慢さでブクブク太った社会が奈落への道をコロがり始めた。

 そもそも戦争の目標すらあいまいなままで踏み込んだアメリカのアフガン侵略は、北部同盟のカブール制圧で大きな転機を迎えた。「テロの根絶」というアメリカの大義はアフガニスタン全土に舞い上がった砂ぼこりの中で、ますます見えなくなっている。             (M)

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人民新聞社

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