2001年 9月25日
通巻 1088号

 アメリカが遂に報復戦争に踏み込んだ。戦争は長期化し、アメリカは泥沼に足をとられ、その威信は大きく傷つくにちがいない。膨大な戦争の浪費は資本主義の常だったが、再び、その下で無数の人々が死ぬ。

 攻撃にさらされるアフガンの隣国パキスタンでは、アメリカに魂を売ったムシャラク政権が人民の反米運動の高まりの中で崩壊の危機にさらされている。軍事力での政権転覆を企てるアメリカを支持する政権が、人民の力で自らの政権転覆の危機を迎えている。

 人類史上、外からの軍事力に依って、他国を支配した例は数多い。しかし、全ての歴史の教訓は、その支配がやがて崩れ、その国の人々が自分達を代表する政権をうち立てることの必然を教えている。アフガンのタリバン政権しかり、パレスチナの自治政府も又しかり。

 30年がすぎて、アメリカはベトナム戦争の血の教訓すらも忘れてしまったようだ。機械のスピードに負けまいとする人間が、時間の重さ、歴史の重さを忘れて、巨大な機械に殺られている。後には無名の無数の人々の死が横たわる。

 テロで世界は変革できない。同じく戦争でテロは抑止できない。テロを企てた死者の魂が、どれほど多くの人々の魂とつながっていることか。そのつながりをミサイルは断ち切ることが出来ないからだ。

 世界は大転換の時代に突入した。支度を整えよう。人々の未来に向かって。        (M)

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人民新聞社

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