2001年 9月15日
通巻 1087号

 本当なら「テロ」の話で書くべきなのだろうが、きっと誰かが書くだろうから違う話題にしようと考えた。小泉「改革」の波をもろに受け、大学が右往左往している。文部科学省の役人がリストラのため全国の国立大学を巡検に回っているらしい。「大学院生は全員登校し、施設が足りないことをアピールするように」だとか、「見栄えの悪いプレハブは撤去せよ」など、大変だ。

 というのも、巡検が進むごとにいろんな噂話が飛ぶからだ。某国立大学の噂。「この地域政策学部って何です?」と巡検使に問われ、県内地域の振興全般に関する研究を行う学部で、卒業生は県庁をはじめ県内中核企業で活躍している、と大学側が説明したところ、「そうですか。じゃあ、これは県立大学の方に移しましょう」と言われたとか。「どのように巡検使様をもてなせばよいものか」、さながら幕府の目付の饗応に右往左往する藩士のようである。

 学生の自主性を削ぐことばかりする今の大学を擁護する気はさらさらない。この巡検使騒ぎのどさくさに、「怪しげな」大学文化は排除されていっているに違いない。弱小国立大学関係者諸子よ、本当に生き残りたいのなら目をもっと下の方に向けるがよろしい。上を向いて歩いていても、鳥の糞が目に入るか、けつまずいて転ぶだけである。    (K)

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人民新聞社

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