2001年 7月5日
通巻 1081号
港に浮かべた客船の中しか安全を確保し得ない厳戒体制の中でジェノバサミットが終わった。ということは、あの沖縄サミットから一年が過ぎたということ。「金だけは湯水のごとく浪費して、内容はゼロ」と酷評された史上最悪のサミット。その兵站を仕切った松尾は今、獄中にいる。
沖縄駐留米兵による度重なる暴行事件と米軍の対応は、何も変わらぬ沖縄の現実を物語る。で、あの沖縄サミットとは何だったのか。ジェノバのニュースを聞きながら、そのことを考えてしまう。
クリントンからブッシュへ。森から小泉へ。顔ぶれはいくらか変わった。冷や飯を喰わされ続けて来たアメリカの産軍複合企業の意を受けて、ブッシュは孤立への道を踏み出した。森のヒドさと比較して超人気の小泉は、方針を持たぬ演技派政治家の危さを露呈し、世界の失笑を集めた。
変わっていないことは、サミット会場をとりまいた抗議の人の輪だ。「反グローバリズム」のスローガンは、着実に世界のしいたげられた人々の共通言語となってきた。
沖縄サミットの会場をとり囲んだ抗議の人の鎖。ジェノバで死者すら出して続く抗議のデモ。表現は違っても、サミットに集う支配者共に向けられる怒りは拡大を続けて止まらない。サミット招致に浮かれていた稲嶺知事すら、米軍は怒りの人々の側へと追いやってしまったのだから。
時間の流れの中で、時代の流れを読むことを。 (M)
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