重信房子さん逮捕とその関連弾圧

権力・公安につけ入るスキを与えるな

2001年 3月5日
通巻 1070号

重信さん関連弾圧の経過

 

 昨年11月8日、高槻京都ホテル前で、重信房子さんがハーグ事件の逮捕・監禁容疑で逮捕された(後、同事件の殺人未遂で再逮捕、旅券方違反で再々逮捕、それぞれ起訴)。
 その後11月21日、 Oさん、Tさんが犯人蔵匿容疑で逮捕された。重信さんが住居にしていたマンションを借りて、家賃を振り込んだという容疑。さらに、11月30日にはMさん、Yさんを犯人隠避容疑で逮捕した。こちらは高槻京都ホテルで逮捕前日から重信さんを匿ったというもの。
  Oさん、Tさんは、12月12日に犯人蔵匿で起訴。Mさんは被疑罪名が犯人蔵匿に切り替わって、12月21日に起訴された。 Yさんは高槻京都ホテルの件では起訴されず、同21日に尾道グリーンホテルでの犯人蔵匿で再逮捕され、本年1月11日に起訴された。
 4名は、2月から3月はじめにかけて第1回公判が開かれ、その直後に保釈されている。

 

問題点──弾圧の悪質さ


 弾圧は悪質なものに決まっているが、今回の弾圧の特徴について簡単に整理する。
 今回、逮捕されたそれぞれの居宅を除いても、5次にわたり70ヵ所以上に家宅捜索(ガサ入れ)がなされた。
 これらは、恫喝や嫌がらせのための、ガサ入れそのものを目的としたものだ。そしてガサ入れをすることで、いかにもそこが日本赤軍と関係があるかのようなキャンペーンを張っている。
 その最たるものが、日本赤軍(人民革命党 )は、希望21を下部組織にしている、社民党へ介入しようとしているというような、メディアを動員した宣伝だ。
 4名が逮捕・起訴された「犯人蔵匿」容疑は、「2年以下の〔カット〕まず、弾圧だ!!懲役、または20万円以下の罰金」という微罪である。にもかかわらず、メディアは日本赤軍や重信さんとの関連で、大げさな報道を繰り返した。これらの報道は、重大事件の危険なテロリストという印象だけを世間にばら撒くものだった。
 また、勾留請求・勾留延長を認め、そのうえ接見禁止までつけた裁判所もまた、重大事件キャンペーンに躍らされつつ、荷担している。勾留理由開示公判で判事自らが「日本赤軍に関連する重大事件」と公言してはばからない。1970年頃にも言われたことだが「赤軍罪」という罪名があるかのようである。


赤軍弾圧は公安の打出の小槌

 重信さん自身が勾留理由開示公判での意見陳述(文藝別冊「赤軍」所収・河出書房新社刊)のなかで、公安の関連弾圧を許していることについて、「こうした現実は弁解の余地なく、私自身が招いた敗北と考えています」と述べている。獄中にあっては、これ以上の言及は難しいだろう。
 別の箇所では「破壊され、のぞかれた組織の条件では、非公然活動は、もはや不要です。なまじっかの非公然は、うさんくさい実体を作ります。今、逮捕を契機に、大胆に清算、転換します」と述べている。
 しかし、国家権力・公安にとって、赤軍・テロ組織キャンペーンは使い勝手の良い道具のようなものだ。個々への弾圧の口実として、また反テロ・親警察キャンペーンとして、今後も使われつづけるだろう。公安調査庁が自らの生き残りのために、いつまでもオウム(現アレフ)を手放さないように。


共同で弾圧をはね返す

 今回でもあちこちで風聞が流されたようだが、このような弾圧のときに「あいつはあの関係だ」などというような、ささやくような声が流れてくることがある。酷いものになると、ガサが入ったそうだからそんな人とは一緒に運動はやれない、というような運動内部の対応が出てくるときがある。
 これこそ権力の思う壺で、その思惑どおりに、分断されてしまう。孤立を深め、公安警察の介入で簡単につぶされてしまう。確かに、自分と考え方ややり方の違うところが弾圧を受けても、それを自らの問題として考えるということは、なかなかできることではないかもしれない。しかし、国家権力・公安は敵であり、その弾圧には共同で反撃しなければならない、というあたりまえのことを実行できなければ、人民に未来はない。今、弾圧にさらされて苦闘している者が、万一敗北すれば、公安は弾圧の次なる標的を見つけ出すだけなのだ。    (H)

拡大する日本赤軍・重信さん関連の弾圧
警察の違法無法な強制捜索に抗議する!

 警視庁・大阪府警合同捜査本部は3月8日(金)、兵庫県在住のMさんを重信さんに関する犯人隠避容疑で逮捕、同事件関連と称して10ヵ所を家宅捜索、続いて9日(土)には神奈川県在住のNさんを同容疑で逮捕、18ヵ所の家宅捜索を強行した。8日の捜索はMさんの自宅や職場以外の6ヵ所は被疑事件とは全く何の関係もなく、令状を示された当事者全てが「Mって誰や」と捜査員に聞き返し、当然押収するものもなく、しょうがなく本紙や政治グループの会報を持っていったという呆れるほどガサツな捜索。昨年末からの逮捕者は6人、強制捜索はゆうに100 ヵ所を越えた。我々は警察の一方的な予断で歯止めなく拡大される違法捜索・弾圧に断固抗議する!
 特に今回の捜索で共通しているのは、「重信さんの押収物を分析した結果」という口実と、事前にマスコミ(産経・フジ系列)に警察がリーク、新聞やテレビで警察発表をそのまま垂れ流してキャンペーンをはるという手口。つまり、警察が一方的に「赤軍関連」と決めつけ好き勝手に弾圧する、その世論操作が露骨に謀られているのであり、弾圧は今後更に拡大していくことも予想される。断固たる抗議を!反撃を!

 

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人民新聞社

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