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2015/7/30更新

[大阪]「安保法案」強行採決

若者がデモ参加その理由とは?

編集部 ラボルテ 雅樹

「安保法案」の強行採決後、全国各地でさらなる抗議行動が展開されている。

強行採決された15日夜には10万人が国会前の抗議行動へ参加。17日の静岡県水戸市内のデモでは1200人、京都市内では大集会が開かれ、会場収容定員を超える4000人が参加。18日には「戦争法案は廃案に!おおさか1万人大集会」が扇町公園で開催され、11000人が集結した。大阪府内のデモで1万人を越えたのは03年のイラク反戦デモ以来だ。

19日のデモでは大阪市解体阻止で活躍したSADLと、学生や若者が中心となって「安保法案」に取り組んでいるSEALDsが呼びかけて実施。8200人が参加した。

 以下、参加者へのインタビューを紹介する。

※ ※ ※

大学生・20歳・女性…大学で国際交流活動や反戦の活動に参加しています。活動で知り合った、留学生ともよく政治の話をするので、「日本のデモにも参加しようよ」ということになりました。

周りの学生は関心があっても行動に出さない。国会で話されていることも知らないこともある。政治をテーマに話すことが「タブーになっているのでは」と感じます。私自身、大学に入るまでは関心を持っていなかったのですが、入学してから良いか悪いかを自分で考えて判断するようになりました。

私はいま、外交問題に関心があります。経済発展も貿易も、外交がないとできない。いかに日本という存在を良くできるのか。それは目先のことを考えることではなく、長い目で見ることが大事だと考えています。憲法問題だけではなく、外交・経済・歴史の視点からも、安保法案というのは問題ではないでしょうか。70年前の日本にするようで。

−大学の中での変化はありますか。

現在大学で仲間とともに教職員の方々にも安保法制の反対を呼びかけていまして、その数も増えています。また、この前、戦争をテーマに学内呼びかけを行いました。賛成派の学生がこっちに寄ってきて、「あなたたちの敵は誰ですか」と聞いてきた。私たちに敵はいなくて、「安倍首相を倒そう」ではなく、どうして彼を日本社会が生み出したのか。その社会構造を変えていきたい。政治に無関心の学生でも、少しでも関心を持ってもらえるように取り組んでいきたい。

大学生・21歳・男性…ツイッターの情報を見て、ひとりで初めてデモ行進に参加しました。院試前なのですが、「民主主義への侮辱」ともとれるような強行採決を受けたのと、身近な話で言えば、海上自衛隊に勤務する幼馴染みが居ます。法制化されたら、幼馴染みが世界中の戦地に駆り出されてしまうので。

大学では臨床心理学を専攻しています。臨床心理士になろうと考えていて。

心の問題の背景には労働問題や貧困、人種差別などの社会問題が往々にして潜んでいる。これらの観点から見ても,今回のような強行が許されてしまうことは問題だと感じています。今後も身近な人たちには臨床心理学と時事的な話題を関連付けて伝えていきたい。

30代・女性…これまで街頭で声を上げる場がありませんでした。政治に関心を持ったのは子どもが生まれてから。ちょうど、教育基本法制定・第一次安倍内閣の頃で「この人、ちょっとヤバいな」と。それから9条の会の活動に関わるようになりました。

先月に初めてデモに参加しましたが、組織の旗が多くて居心地が悪かった。「がんばっていること」は尊重しますが、文化や世代のギャップ・アウトプットの違いというか。今回のデモは「完全燃焼」で思っていることを全部言えました。

社会人・20代・女性…強行採決を受けて、デモに参加しました。デモに関わる契機となったのは、いまのパートナーと交際し始めた時期に東日本大震災と福島第一原発の事故があったこと。パートナーが原発反対の活動を始め、私も関わるようになり、反ヘイトスピーチの活動などに参加しています。

「つながる一歩」として

ラボルテ自身の感想です。SADL・SEALDs両方に対して思うことは今まで社会運動に関われなかった人が「つながる一歩」としての回路を果たしていること。

例えば、「関心はあるけれど、どうしたら…」というグレーゾーンの人に対して、「掲げた争点のみ」を追求することで、学びの経験を大事にしているのではないでしょうか。他の参加者の出会いなどを通して貧困や差別、原発、権力関係といった問題を知っていく。あれもこれもを見せない「丁寧さ」があるのかなと。

また、祝祭的なムードを作ることで、デモ参加者と通行人の分断をなくそうとしているように感じました。「祝祭」である以上、攻撃しにくく、メディアの中の「良心」的な人も肯定的に取り上げやすい。

デモ中、通行人だった10代ぐらいの若者二人組がデモを肯定的な眼差しで見ていたので、その場でデモに誘いました。「デモってめっちゃええやん!」と参加し、「殺すな、殺されるな!」と一緒にコール。祝祭的連帯の声が街頭を包み込んでいました。

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