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2014/11/23更新

ひきこもり名人 勝山実のポンチピープル

ひきこもりと精神科

精神科は病気を治すところではなく、「治らない」という証明書をくれるところ

「学校に行けない、働けない」―その程度の理由で精神科に行く必要はありません。そういう時は、何もしないで休んでいればいいのです。

 しかし私自身、何もしないで休めるようになるまで10年かかりました。家の中では、親から「働け、出てけ、誰のおかげで飯が食えるんだ」と罵られているわけです。自分でも「働かなければ死ぬしかない。人類に対して申し訳ない」と、自分を責め続けです。良心の呵責に耐えきれず、勉強してないのに大学受験をして、3年連続不合格。それがだめならと、形だけ通信制大学に入って、届いた教材を前に途方にくれたりしていました。何も見えない、何も聞こえない、ひきこもり暗黒時代です。

食事ものどを通らず、まともに眠れない。休むどころか、生きるのに必要な食事と睡眠が欠けてくるのです。「不登校もひきこもりも、精神病じゃない」―そのとおりなのですが、何もしないで休むという、正しいひきこもり生活を送ることが、どうしてもできません。気付けば、目はくぼみ、肌は土色、熟睡したことなど一度もないという、がりがりの病人になっていたのですから、不思議です。

最終的には、発狂するんじゃないかという不安におそわれました。それを振り払うために、団地の周りを1周2・5qのコースでマラソンするようになったあたりが我慢の限界。ゲームオーバーです。

「自分は自分に対して無力である」と悟り、精神科に行ったのが26歳の時。あれから16年、治るどころか、精神障がい者へとパワーアップしてしまいました。障がい者として、障がい年金を受けながら、みっちり社会参加をしております。個人的に精神科は病気を治すところではなくて、この人は治らないという証明書をくれるところ、福祉につながる窓口なんじゃないかなと思っています。

薬の輪廻転生

16年も精神科に通っていれば、酸いも甘いも知り尽くしたベテランユーザーです。一般的にはなじみの薄い精神科について、利用者として、精神科がどんなところか、紹介というか、ちょっと思い出を語りたいと思います。

精神病の本を調べると、病院探しのアドバイスとして「地域の保健所に相談しよう」と書いてあります。保健所というのも、精神科同様になじみが薄く、気軽に相談に行けるところではありません。私はタウンページ(電話帳)で病院を探しました。しかし、ここに盲点があります。人気のある病院というのは、たいてい予約待ちの状態で、宣伝をひかえています。だから、お金をかけてタウンページに大きな広告を出している病院というのは…。ちょっとアレなのです。

しかし、最初はそんなことはわかりません。電話番号しか情報がない病院よりも、広告を出していて、ある程度雰囲気が分かるところを選んでしまいます。私は、家から30分のところにあるHクリニックに決めました。まずは電話で予約。精神科は初診の時間が長く、30分〜1時間位です。

診察室に入ると、院長のH先生がいます。患者の方は向かず、机の方を向いたまま「どうですか?」と聞いてきました。私から見えるのは、先生の顔ではなく側頭部です。面食らって、自分の病状を説明できずにいると、○×アンケート形式の問診表をすっと渡されました。それに鉛筆で印をつけていく。先生は、書き終わった問診表をながめ、「うつ病」と診断をくだし、出す薬の説明を始めました。そして「様子をみましょう」で、診察は終了です。

「精神科ってこういうところなのか…」と、納得するしかありません。処方された薬を飲む→副作用→新しい薬を処方→副作用、を1年間繰り返し。ついに最初に飲んでいた薬がまた処方されるという輪廻転生が完成したところで、私も遅ればせながら相手がやぶ医者であると気づきました。うっかりですのう。

ダメ医院の特徴

やぶ医者、だめ病院には、共通した特徴があります。それは、診察時間が短いのに待ち時間は長いところです。予約制なのに、30分以上待たせるようなら要注意。

 1時間以上待たせるようなら病院を変えることをお薦めします。病院の待合室で、いつ名前が呼ばれるかわからない状態のまま1時間以上待たされるのは、かなりのストレスです。それを放置して平気なお医者さんでは、治癒は期待できないというものですよ。

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