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2013/12/11更新

「人民新聞」1500号通過にあたって

編集長 山田 洋一

1968年の発刊以来45年を経て、人民新聞は1500号を迎えました。「反資本主義の革命運動に一定の貢献を果たす」(創刊2号・「読者の拡大を!」より)の志は、人民新聞を支え、作ってきた無数の人々の願いとして、今に受け継がれていると信じています。時代の変化とともに新聞が扱うテーマと切り口は変化してきましたが、基本姿勢は変わりません。

@資本のグローバリズムに反対し、労働者・人民が主人公となる「もう一つの世界」を、共同実践のなかから模索する。

A少数者の頭の中で作られた運動の実現をめざす号令新聞に堕落することを拒否し、現実の運動の中に身を置きながら、双方向のコミュニケーション手段であり続ける。

B世界の若者の闘いに希望を見いだし、国際主義を堅持する。

C特定の団体や組織に依存せず、自立自闘の独立ジャーナリズムであり続ける。

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変革の主体は世界各地で生まれています。日本では、原発事故を契機として、大量生産・大量消費を基礎とした経済成長路線への反省と批判が湧き起こっています。デモ参加人数は、事故前と比べて10倍をゆうに超え、秘密保護法案への反対運動は、連日、各地で怒濤の広がりを見せています。政府と民衆世論の乖離が極大化し、議会は1%のための統治システムである実態が明らかになった今、街頭が再び主戦場となりつつあります。

世界に目を移すと、米国の覇権凋落は明らかで、ヘゲモニーシフトが起ころうとしています。経済発展めざましい中国・新指導部は、「海洋国家をめざす」として、世界戦略を作り上げようとしています。しかし、中国の内部矛盾はいつ爆発するやもしれぬ状況です。10万件を越える大規模デモ、少数民族の反乱など、安定とはほど遠い内政状態で、世界は多極化・不安定化の一途を辿っています。

日本政府は、対米従属姿勢を強め、国家主義・民族主義的政策を進めていますが、世界の中で孤立化を招く危険な方向性です。

世界の不安定化のなかでアラブ世界では、大きな変革の波が起きましたが、これらは、アメリカのオキュパイ運動、欧州の若者反乱と互いに共振しながら進む一つの流れです。反グローバリズム運動は、反資本主義の運動としてスローガンを共有し(99%の世界を!オキュパイなど)、ネットワークしながら、世界同時デモも繰り返し取り組まれています。

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変革の方向性も、現実の運動のなかで示されています。右肩上がりの経済成長はもはや不可能。GDPの拡大ではなく、人々の必要を満たす経済活動へと変化せざるを得なくなるでしょう。それは、「自律・共同」を基礎とした「アソシエーション社会」へと向かう潮流です。ただし、具体的中身は、地域や時代条件に依拠しますし、地域の風土と運動の中で作り上げられるものです。

生産現場の民主化は、今後の大きなテーマになるでしょう。今や労働現場は、生きづらさの根源となっています。不安定化・低賃金化が極限まで進み、労働が取り替え可能な部品、消費財として扱われ、ますます非人間的労働となっています。

上意下達で運営される企業は、現代社会において最も非民主的組織の一つです。個人が資金を持ち寄り起業する労働者協同組合は、全員が労働者であり経営に参加する未来志向の経済活動です。企業社員として奴隷労働に一生を捧げるのではなく、消費を少なくして、シンプルでエコな生活スタイルを実践する若者も増えています。半農半Xで自給自足的田舎暮らしも、脱資本主義に向かう大きな流れの一つです。

人民新聞は、資本主義批判とともに、脱資本主義に向けた人々の新たな運動・生活スタイル・経済活動を積極的に紹介します。これらの運動は、脱原発運動と深くつながっています。

読者の拡大を!

脱資本主義へと向かう大きな流れの中で、当面の重点取材テーマは、以下のとおりです。

@「福島」と「脱原発」は、日本の最大課題です。安倍・自民党政権は、特定秘密保護法案・共謀罪新設など治安管理体制構築を急いでいますが、これらは脱原発大衆運動への恐れであり、危機感の表れです。脱原発運動は、安倍政権のアキレス腱です。

A若者の生きづらさを具体的に解き明かし、その根源を追及します。当事者インタビューを継続します。

B沖縄の反基地運動は、オスプレイ強制配備、全国での訓練飛行実施をともない、よりラディカルで全国的広がりをもち始めています。沖縄民衆の日本政府への不信は、独立をめざす運動へと発展しつつあります。沖縄独立を含めた、反基地運動の現場レポートを掲載します。

C「労働の規制緩和」という名で非正規・正規全般の不安定化・低賃金化が進められようとしています。雇用破壊宣言とも言える日経連「新時代の日本型経営」(1995年)で示された「雇用システムの多様化」は、今も進んでいます。フリーター労働運動、地域ユニオンなど、新自由主義に真っ向から挑戦する労働運動の現状と課題を取材します。

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こうした方針の中で編集部は、@新規読者獲得に全力を挙げています。読者・協力者のみなさんに知人・友人の紹介をお願いするほか、新たにリーフレットも作りました。今号に同封しましたので、活用をお願いします。

他にも、A共同関係を拡大するための読者訪問、B独自取材の充実、C外部執筆者の拡大をめざしており、戦略的には「世代交代を含む大幅な編集体制の改革」を目指します。

1500号は、通過点です。「本質は細部に宿る」を肝に銘じて、具体的事象を通して不安定化する世界を的確に描いていきます。

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