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2013/5/2更新

関西大弾圧の現状

ぱぉんさんへの拷問と韓さんへの新たな弾圧

被弾圧者を支え人とつながることが反撃

昨年、大飯原発の再稼働反対や大阪市の震災がれき焼却反対に対してかけられた「関西大弾圧」。自らも昨年11月13日の大阪市のがれき焼却説明会で逮捕されたMUさんに、関西大弾圧の現状と、自ら体験した弾圧についてインタビューした。(編集部一ノ瀬)

× × ×

──昨年、のべ11人の逮捕があった「関西大弾圧」の、現在の状況を教えてください。

MUさん…逮捕された人のうち、6人が起訴され、4人が今も大阪拘置所で勾留されています。韓基大さんは、@昨年11月のがれき説明会と、A10月のJR大阪駅付近での街宣、の2つで罪に問われています。6人のうち勾留期間が最長なのは、関電前の抗議行動で逮捕されたAさんです。逮捕されたのが10月5日ですから、半年を超える勾留になります。いずれもデッチ上げの罪であり、「罪障隠滅」などを理由に保釈が認められられないのは、理解できません。

公判が始まっているのは、大飯原発ゲート前封鎖行動で逮捕された川崎さんと、関電前10・5弾圧のAさんです。がれき説明会での11・13弾圧で起訴された3人(韓さん・ぱぉんさん・Uさん)は、憲法違反の公判前整理手続きが進んでいます。

──弾圧を受けた人たちの様子はどうですか?

MUさん…今回の弾圧でぱぉんさんが受けた仕打ちのひどさに触れずにはいられません。ぱぉんさんは、幼少からうつ病、アトピー、アレルギーの持病があり、不当逮捕直前には、被ばくの初期症状である甲状腺異常で、リンパ腺が腫れ上がっていました。ところが、ぱぉんさんは逮捕後、獄中で適切な投薬・治療が受けられず、大阪拘置所では接見禁止が続き、些細なことで懲罰を受けるなど、4カ月を超える長期拘留と合わせ、精神的・肉体的両面で大変な打撃を受けました。

5年間の治療の成果がゼロになってしまったばかりではなく、より悪くなってしまいました。憲法研究者の声明にもあったように、これはもうぱぉんさんへの「拷問」です。保釈されたものの、思考停止、記憶障害、パニック障害、対人恐怖症など、保釈前より症状は悪化しており、正常な判断ができません。一時期は非常に危険な状態でした。今は静養を最優先にしています。

加えて、ぱぉんさんの保釈条件がひどいのです。5つの項目があり、居住地の指定や無許可の旅行の禁止、などの項目が並んでいるのですが、5番目の条件が、11月13日のがれき焼却説明会の会場にいた人などとのメール・手紙・電話を含む一切の接触を禁じる内容になっています。当日、その場所に誰がいたのか、私たちも完全に把握できません。それを判断するのは裁判所ですから、ぱぉんさんの保釈取り消しや保釈金の没収などのトラブルを避けるため、本当に悔しいことですが、皆さんにはぱぉんさんへの連絡・接触を控えてもらっています。弁護士さんを通じて、この保釈条件の変更の申立をやっています。

──新たな弾圧の動きはありますか?

MUさん…現在、韓さんは、@10・17大阪駅弾圧、A11・13がれき説明会弾圧─の2つで逮捕・起訴されていますが、さらに昨年9月23日の日本軍『慰安婦』問題の集会の妨害に来た在特会からの「被害届」を口実に、大阪府警が2月14日に韓さん宅を家宅捜索しています。

韓さん以外に「被疑者」とされている3名の方も含め、逮捕者は出ていませんが、保釈が許可されず、長期拘留に置かれている韓さんへの新たな弾圧は、絶対に許せません。

──MUさん自身も11・13弾圧で逮捕されただけではなく、ぱぉんさんの勾留理由開示公判(今年1月)の閉廷後に、「監置」処分で、大阪拘置所に5日間勾留されましたが…。

MUさん…警察での取り調べで、彼らが聞きたがっていたのは、当日の行動内容や逮捕された人との関係でした。「何時に誰と来たのか?」「○○とは顔見知りか?」「△△は重要人物なのか?」…。怒鳴ったりなだめたりしながらいろいろ聞いてきましたが、黙秘で通しました。その後、取り調べは拒否できることが分かったので、取り調べ室にも行かずに通しました。

その後、嫌がらせで目薬を取り上げられたので、大きな声で「何の根拠があって取り上げるのか。正当な理由があるというなら証明書を出せ!」と抗議してからは、「留置場内の秩序を乱す奴」として監視カメラ付きの独居房に移されました。目薬自体を手に入れることはできました。

「監置」については、公判の閉廷後に、小野寺裁判長に対して「ゆるさんぞ!」等と抗議したのですが、それが「不穏当な言動で裁判所・裁判官の職務を妨害、裁判の威信を著しく害した」と判断されたようです。小野寺裁判長が「(身柄を)確保しろ」と宣言し、20人ほどの

廷吏に囲まれました。写真を撮ろうとしたので、「私が何の罪を犯したのか。どういうことだ」と抗議しましたが、結局1時間後に大阪拘置所に連れて行かれました。

小野寺裁判官は、関西大弾圧で逮捕令状や拘留状を乱発してきた人物ですが、閉廷後にこうした暴挙に及ぶことは、自分のやったことをやましく思っていることの裏返しです。ずいぶんと声が震えていましたし、だからこそ権力を振りかざすのでしょう。

──今の時点で関西大弾圧を振り返ってみて、どう思いますか?

MUさん…これまで大飯原発の再稼働や震災がれき焼却などに対して、さまざまな形での抗議行動が行われています。これらに対して、威力業務妨害や公務執行妨害など「罪」がでっち上げられましたが、運動サイドから「やり過ぎ」といった批判も出ています。

でも、「再稼働反対」を訴えて大飯原発ゲート前を封鎖することや、「がれきを燃やすな」と焼却説明会での抗議行動することが罪に問われること自体が、とんでもないことです。国家権力が振るう暴力こそより大きく、深刻です。「原発は安全」「がれき広域処理は被災地支援」というウソで、法をねじ曲げ、市民の声をつぶしているのです。原発事故や原発再稼働、あるいはがれき焼却は、その一例に過ぎません。

今回の弾圧のひどさを訴えながら、よりたくさんの人とつながっていきたいと願っています。

──救援会ではどんな取り組みをされていますか?

MUさん…院内集会・記者会見、法務大臣と検事総長宛に要望書提出、反弾圧集会の呼びかけと開催などです。もちろん、日常的にも裁判の傍聴、拘置所への面会・差し入れといった激励行動、保釈を求める署名活動や裁判所でのビラまきなど、救援会のメンバーそれぞれができることを、どんどんやっています。ブログやツイッターでの情報発信もやっていますので、皆さんの注目とご支援をお願いします。

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▼関西大弾圧救援会/郵便口座・00910─1─145152「関西大弾圧救援会」
※個別救援会あての場合は、通信欄に「10・5救援カンパ」「11・13救援カンパ」「12・9救援カンパ」と明記してください。
特に指定がない場合は、個別救援会の不足分に充当する基金とさせていただきます
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