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2012/8/4更新

7・16さようなら原発10万人集会(代々木公園)

 行ってきました!

大飯原発再稼働後も、「再稼働反対!」の声は、日に日に大きくなっている。金曜デモは拡大し続けている。17万人が集まった7月16日の「さようなら原発10万人集会」に参加した3人から報告を寄せていただいた。(編集部)

多彩な表現認め合いアメーバのような広がりを

川崎 M・K

私は、あの2011年1月に父親になった若い画家が描いてくれた「脱原発川崎市民」の旗のもと、7・16の集会に参加した。この手作り感あふれる花や太陽や子どもの顔の描いてある旗は、どこへいっても目立つ。

大飯原発再稼動阻止の時も、現場で翻っていた。「日常の暮らしを大切に生きていきたい」という私たちの会のコンセプトにふさわしい。こんな当たり前のことのために、旗を作って日本全国駆け回らなくてはならなくなった今が悲惨だ。

この日は、同じ画家の描いた『リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会』の旗も初デビューした。私たちの住む川崎北部や町田市・相模原市では、まったく原発と同じ構造で、住民に十分な説明もないままで着々と進められようとしているリニア新幹線の問題を抱えている。「節電」を言いながら、東海道新幹線の3倍以上の電力を使って品川・名古屋間を40分で走るそうだ。しかも9兆円もの工事費がかかるという。知れば知るほど問題点が山積だ。

会の共同代表の懸樋哲夫さんが発言することになっていたので、私たちの仲間の多くは、第4案内カーの近くに集まった。

デモ規制を蹴飛ばしフランスデモ

原発立地地域からの闘い・福島からの報告と、次々闘いを担っている人々の発言が続いた。新聞紙上を飾った著名人の発言もよいのだが、その一角にこのような現場の声を発信する会場があるのがいい。そして、そこへ自分たちの運動を引っ下げて参加できた満足感があった。

ひっきりなしに行き交う多くの参加者を見ながら、「今のうちだけさ」と高を括っている「あの人たち」にネバーギブアップで声を上げ続けることができるかが問われているのではないか、と思った。

集会終了前の早い出発のデモの隊列だったが、表参道を過ぎたあたりから警官の人数が少なくなり、なんとデモ規制のコーンを蹴とばしながらのフランスデモとなった。

「このままだと検挙しなければなりません!」の脅しに、「検挙する相手が違うだろう!」の声。車道いっぱいに広がって歩く人に、警官もお手上げ状態の様子だった。金曜日の首相官邸前での過剰規制の溜飲を下げることができて、気分は爽快。歩いている人は皆楽しそうだった。

原発事故をきっかけにして、見ないようにしていた国家規模の利権やらマスコミのひどさなどが誰の目にも映らざるをえなくなってきた。こんどこそ負けるわけにはいかない。

「ルールを守らないなら参加しないでください」といった偏狭な発想ではなく、それぞれの生き様をかけた表現・闘いを許容しつつ、アメーバのようにひろがっていきたいものだ。

砂埃にまみれながら叫んだ「原発No!」

高槻市議会議員 高木隆太

集会の開始時間が迫ると、人の洪水が次々と代々木公園に吸い込まれ、あっという間に集会会場は埋め尽くされた。被災者、政党、労働組合、一次産業従事者、生協、日雇い労働者、市民団体、これらに所属しない市民など、多種多様な顔ぶれが17万人(主催者発表)集まった。

若い世代も多かったが、60歳以上が多いのか「アンポ以来やね」という言葉をあちこちで耳にした。

4カ所に設けられたステージや会場では著名人が発言し、アイドルやバンドのライブが同時多発的に行われていたが、人がごった返し、各会場に移動するのも骨が折れるほどだった。

正午過ぎに3ルートに別れてのパレードが始まった。しかし、道路はすぐに人で満杯になり、いっこうに進まない。気温は33度の快晴。立っているだけで汗が滴る暑さ。救急車のサイレンが何度も聞こえた。渋谷に向かうデモ隊は、1時間経っても数百メートルしか進まないので、諦めて沿道から原宿駅に向かうと、信号の前でデモ隊が警察に抗議をしていた。警察がデモ隊を統制して、行進が滞っているようだった。

ようやく動き出したデモ隊に加わり、青山通りを歩いた。市民中心のデモ隊は、ハンドマイクなど誰も持っていない。誰かが「再稼動反対」「原発いらない」と地声で叫び出し、皆が続く。しばらくすると今度は全然違うシュプレヒコールを誰かが叫び出す。バラバラで統一性のないパレードになったが、かえって新鮮だった。振り返ると、デモ隊はどこまでも続いていた。

紆余曲折はあって当たり前

毎週金曜日に行われている官邸前の抗議行動が、「自制的すぎる」との批判がある。主催者から、「一般の市民が敬遠するので、組織がのぼりを上げることを自粛せよ」とお達しがあったりするとも聞く。「ちょっと違うのではないか」と思う。

原発がやめられない輩は、混沌した状況こそ恐れるし、組織といったって、そもそも一般市民の集まりではないのか。たしかに、運動が先鋭的になれば大衆が離れていくのは、歴史的に明らかだろう。しかし、7月16日の集会はそんなことを感じさせなかった。慣例的に、運動体同士が後ろ指をさすようなことはあったかもしれない。組織動員や勧誘まがいなものから距離をとった人も、少なからずいただろう。

しかし、あの会場で砂埃にまみれ、汗で湿った体をぶつけ合って、人びとがただひとつ「原発はいらない」のもとに大勢集まった。それだけでいいやんか。そう思えるほど、多様で幅の広い集会だった。これからも反原発運動は紆余曲折を経ながら、それでも廃絶の日まで

続くと信じたいし、それを見届ける当事者の一人でありたい。

野外ロックフェスに似た連帯感

豊中市議会議員 木村真

朝5時に起き、新大阪6時33分発の「のぞみ」に滑り込み東京へ向かった。9時過ぎなのに東京は、太陽がギラギラ照りつけて、恐ろしく暑い。代々木公園に入ると、広いし人が溢れてるし土地勘はないし、何がどうなってるのか、わからない。ビール片手に日陰に座っていると、さらに人が押し寄せてくる。

メイン会場の代々木サッカー場は、一千万人署名の呼びかけ人である大江健三郎や坂本龍一さんたちが発言する。第2は会場は、野外音楽堂。第3・第4は、トラック荷台をステージにしたもの。

広い公園内に集まったたくさんの人たちが、「原発いらない」「再稼動やめろ」のプラカードを持ち、ステージに拍手を送ったりツッコミ入れたり、シュプレヒコールを上げたり…。私は、知り合いを見つけて立話したり、ステージを見たり、日陰でビールを飲んだりしてました。

集会は、フジ・ロックフェスティバルとといった野外ロックフェスに、似た感じなんじゃないかと想像します。同じ思いの人たちの連帯感があって、楽しかったです。

歩道でも「再稼働反対!」

デモは、午後1時半から3コースに分かれると聞いていたけど、どのコースがどこから出発するのか、全く分からない。人が動いている方へ行ってみると、デモの隊列にもぐり込むことができた。

表参道〜青山を通るコース。デモの人数も多かったけど、街行く人々の多さにビックリ。ちょっとした興奮状態になって、歩道の人ごみの中へ割って入ってプラカードを掲げて「原発いらない」「再稼動やめろ」と叫びながら歩いたり、電柱・街灯・信号制御の機械ボックスに

よじ登ったりしながら、楽しく気分の良いデモでした。

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