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2012/6/14更新

【特集】現地「大飯原発再稼働」阻止行動

6/3 ・福井 再稼働阻止を 原子力村解体の一歩に

1日も早く「稼働原発ゼロ」の状態を終わりにしたい政府・関電は、地元・福井を含めた関西広域連合の各自治体の「説得」行動に奔走。その結果、再稼働には「慎重」な立場を取っていた滋賀県・嘉田知事や、大阪市・橋下市長も「電力が不足するのであれば、再稼働の容認やむなし」と表明した。

今号は、大飯再稼働をめぐる特集。1面は、6月3日、福井市での集会報告をお送りする。2面以降は、関電前行動の報告と、「フクシマから見た再稼働問題」として、佐藤さん・長谷川さんの意見、ドイツ在住者から見た日本の反原発運動などを掲載する。(編集部)

 

 

原子力村の強い「絆」

「いま、この国では絆が強調されています。でも、原発事故で、私たち福島の職場や家族での関係は壊れてしまいました。だけと一番強い絆で結ばれているのが、電力会社と政府との『絆』です。福井の皆さん、ぜひとも再稼働を止めてください」。福島県富岡町から現在水戸市に避難中の木田節子さんがあいさつすると、会場から大きな拍手と歓声があがった。6月3日、福井市中央公園(福井県庁横)で「いのちが大事今なぜ再稼働? ふくいでつながろう」がおこなわれた(主催・「ふくいでつながろう」実行委員会)。

もともとは、6月17日に予定されていた集会だが、関西広域連合の「事実上の容認」で、地元・福井県の同意を残すだけとなったことを受け、急きょ3日にも集会を呼びかけた。集会は、@政府・財界・電力企業への抗議、A福井県の西川知事は意思を曲げず、県民の命と財産を守れ、と訴えるものとなった。

緊急集会にもかかわらず、東京の「経産相前テントひろば」をはじめ、関西各地から約700人ほどの人が集まった(主催者発表は500人)。集会中は雷や小雨もあったものの、若者のミュージック・パフォーマンスや、福島から避難している人からのアピールなど、熱気あふれるものとなった。

集会前には、ミュージック・パフォーマンスがあり、脱原発や故郷・福井への思いを、それぞれの曲にのせて披露。彼(女)らは、脱原発・再稼働の問題を通じて、いろんな人との輪が広がっていくのがうれしい、と語っていた。

会場に来ていた人も、政党・労組・団体はもちろんのこと、「仕事で福井に来ていたので参加した」(東京から来た男性)や、「これまでは特別な行動はしてこなかったけれど、自分でできる範囲で参加したい。再稼働してしまったとしても、絶対に諦めたくありません」(神戸から参加した女性)というように、個人で参加した人もいた。

翻弄され揺れる福井県民

地元・福井の雰囲気はどうか。街中は、「再稼働」に翻弄されているような雰囲気は見られなかった。しかし、地元の人と共に集会案内のビラをまいたという経産相前テントひろばから参加したAさんはこう語る。

「受け取りは、東京だと100人に1人ぐらいだけど、こちらでは2人に1人 が受け取ってくれる。関心の高さを感じた。受け取らなくても、目であいさつしてくれる人もいました」「女子高校生3人組と話することができた。『雇用の問題があるから原発をなくせないんじゃないか』と心配をしていた子もいたけど、みんなよく考えていて、感心した。やはり、安心して働ける仕事を引っ張ってこないといけない。そういう意味では、政治も経済も全部東京が中心、そういう仕組みを変えていかないといけないよね、という話になった」。

わき起こる橋下批判

集会では主催者から、大飯原発のある、おおい町での取り組みも紹介された。

大飯原発のある大島地区で、石橋克彦(神戸大学名誉教授)氏の講演会「大飯原発は地震で大丈夫? 」を企画し、「人集まらないんと違うか? 」と心配する中、多くの住民が参加してくれたこと。戸別訪問を行い、おおい町の人との関係を深めることができたこと。おおい町民への「再稼働について皆さんが心配していることは何ですか? 」13項目の無記名アンケートを行い、348名から回答があり、多かった順に@福島原発の事故のようにならないか心配、A子や孫の将来が心配、B雇用が心配、C事故になった時に、避難ができるか心配、という結果が出たこと。5月17日、福島から4人の人を呼んで交流座談会を行ったこと、などなど…。

また、サヨナラ原発福井ネットワークからの報告では、必要な情報を報道しないマスコミへの批判もあり、会場から「その通り! 」の喝采を集めていた。また集会当日、東京のメディアが取材に来て、「大阪市長が再稼働を認めたんだから、もうダメでしょう? 」との聞き方だったの報告があった。やはりマスコミには、橋下大阪市長の動向が、大飯再稼働について鍵を握るものとしてとらえられ ているようだ。

しかし会場では、橋下の『事実上の容認』発言は、「茶番劇で、周到に用意されたものだった」「政局の道具にしたいんだろうなと思ってましたし、今回容認したとしても、今後も『脱原発』と言い張って、自分の独自性を出す道具として使っていくと思う。でも、地元の人にとったらたまったものじゃないですね」との声が聞かれるなど、報道に流されない冷静な声が聞かれた。

4日、細野原発相が再稼働の「説得」のために福井を訪問した(4面に関連記事)。これを皮切りに原子力村の「攻勢」が、この1週間をメドに続けられるだろう。現地抗議集会は、17日(12時〜、福井市中央公園)にも予定されている。 (編集部一ノ瀬)

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