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2012/2/20(月)更新

補助金カットで保育現場を追いつめる橋下&大阪維新の会

にじの木保育園園 長迫 共

大阪府・市の長を「大阪維新の会」が占め、「改革」の名のもとで、矢継ぎ早の社会改造が行われている。

私の勤務する保育園も、標的にされている。保育園の職員配置には国の「最低基準」があるが、大阪市はそれに関する条例制定を打ち出し、補助金の削減で保育現場をさらに追い詰めようとしている。

保育士配置の「最低基準」は、「0歳児おおよそ3人に保育士1人、1・2歳児おおよそ6人に1人、3歳児おおよそ20人に1人、4・5歳児おおよそ30人に1人」とされている。これは戦後間もない昭和23年、国全体がギリギリの生活をしていた中で決められた基準である。「厚生労働大臣はこの基準を常に向上させるように努める」とされているが(第3条)、今まで一度も改善されてこなかった。

保育現場では「最低基準」どおりの配置では回せないことが度々あり、多くの施設で基準以上の人員配置をしている。運営のための補助金は「最低基準」をもとに計算されているので、施設側で手厚い人員配置をしようとすると、身を削らざるを得ない。

実は、大阪市ではこれまで独自に、1歳児の配置基準を5人に1人として、国基準よりも手厚い補助金を出していた。1歳児は運動面の発達と自我の芽生えがある反面、言葉でのやりとりがおぼつかなく、日常的にケガやトラブルが多い。お友達を引っかく、噛みつくなども茶飯事だ。万一の場合に保育士が避難誘導することを考えても、1対6では心細い。「最低基準」を上回っての加配補助は、保育に対する大阪市の関心の高さを示すものであった。

しかし、この度の条例案は、この補助金を廃止し、国の基準に戻す方針である。廃止の説明もなく、「国の基準以上のことはしない」の一言だけで、これまでの善政を一蹴しようとしている(「大阪市児童福祉施設最低基準条例」で検索してください)。

私が懸念するのは、大阪市がこれを通すと、他の自治体にも動きが広がる恐れがあるということだ。橋下氏は、市長選前にも保育室面積の「最低基準」を緩和して、狭い空間に子どもを詰め込んでもよいとする発言をしてきている。

この傾向が加速すれば、長時間保育や嘱託医の補助金についても、見直し、削減、廃止…と進む可能性がある。結果的に利用者負担が増えてしまうのではないだろうか。

大阪市は2月24日まで、条例へのパブリックコメントを募集している。大阪市のみならず、国全体での「最低基準」向上のために、市民の声を届けていただけないだろうか。

▼送付先…メールkodomo-kijun@city.osaka.lg.jp FAX06─6202─6963(先ほどのキーワード検索で表示される大阪市の「最低基準条例」ホームページに「意見記入用紙」があります。郵送・持参でも提出できます)

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