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2011/11/26(土)更新

受給当事者からの声

放射能から逃れて−仙台から大阪へ『自主避難』した私

 10月1日、大阪市西成区の山王こどもセンターで、「放射能から逃れて−子どもの安全が第一・仙台から大阪へ『自主避難』した私」と題した講演会が行われた(主催・「生活保護切り下げに反対する実行委員会」)。話し手は中津川勇志(28歳)さん。中津川さんはシングルファーザーで、3歳の娘と1歳の息子がいる。原発から92キロ離れた宮城県仙台市で東北大震災に遭い、放射能を避けて自主避難した。

 放射能避難民、シングルファーザー、失業と、複数の困難を抱える中津川さんのセーフティネットは、生活保護だけだった。 (編集部・栗田)

「残業」が阻むシングルファーザー就労の道 セーフティネットは生活保護だけだった

「子どもの命に代えられない」

仙台では、不登校の子どもたちのフリースクールでスタッフをしていました。あの3月11日は、仕事場で震災に遭い、避難所の体育館に逃れました。

僕は反原発の運動にそれほど関わってはいませんが、「わかめの会」という青森県六ヶ所村の再処理工場反対のメーリングリストに入っていたので、一般の方より多少知識がある、という程度でした。

その「わかめの会」のメンバーから震災3日後に避難を誘われ、悩みました。僕は1年前に離婚し、現在はシングルファーザーです。保管しておいた電池でインターネットを使って調べたのですが、子どもに対する放射能の情報は当時なかなかありませんでした。

ただ、チェルノブイリでは子どもがガンで亡くなったり、病気になる率は、統計的には通常の5倍だとされています。それなのに、因果関係を証明できないことで、簡単損害賠償請求はできないそうです。自分に重ね合わせ、「そんな話があるか!」と、思いました。

自分の仕事はクビになるかもしれないし、自分たちだけ逃げる後ろめたさもありました。いろいろな人間関係もあるので、仙台を離れることに非常に悩みましたが、「子どもの命には代えられない」と思って決断しました。

《避難してから》が 本当にしんどい

避難してからしんどかったですね。本当に死にたくなりました。

当初は、兵庫県の知り合いのツテで、篠山市へ避難をしたのですが、2週間後に職場から「4月からは契約を更新しない」と連絡がありました。篠山市でお世話になった方は阪神淡路大震災を経験していて、本当に親身になってくれました。 「間違ってないよ」って言ってくださって。それがなかったら、死んでいたかもしれません。

ここは春休みまでなので、また家を探し始め、同時に仕事探しも始めました。

今は行政の支援体制も整ってきて、「被災地に住めない」と言うことができれば、大阪市の無料住宅に住めるようになっていますが、春の時点では、「避難区域30`圏内でなければ無料住宅は提供しな い。31`であっても許されない」という厳しい姿勢でした。そこで、知り合いの、知り合いのさらに…と、つまり初対面の方でしたが、東淀川区のその方の離れに住みました。

しかし、その時点で貯金が底をつき、生活保護を東淀川区で申請しました。東淀川区の生保担当者の方には、本当に良くしてもらいました。審査は、通常2〜3週間かかるのですが、早く処理してもらい、給料が出るまでの1カ月間は、生活保護を受けながら仕事をやりました。

前職と同じフリースクールの仕事が見つかったのですが、僕は子どもがいるので、残業ができません。

 (以下一部全文は1431号を入手ください。購読申込・問合せはこちらまで。)

… 「仕事は選ばなければある」と言われますが、子どもを8時半に預けて、6時で帰る仕事はありません。…

現在(10月1日現在編集部注)は、生活保護の申請を再度行って、10月には生活保護が支給されるよう準備しているところです。

毎日を家族3人で悔いなく生きる

現在は、家族3人で朝起きて、一緒に「おやすみ」って言えること。この一日、一日をどうすごせるか、一瞬、一瞬悔いのないように生きる、という基本に立ち返っている感じです。

東日本大震災でいろいろなことを体験し、心が傷つきましたが、多くの人に励ましてもらい、話を聞いてもらいました。

今まで、不登校の子どもたちの話を聞く、というカウンセリングに近いことをやってきたので、今後は、東日本大震災にまつわることでお互いの話を聞きあう、カウンセラーのような人になりたいと思っています。

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