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居場所としての公共空間

カフェ・コモンズ渡邊太さん(コモンズ大学)   

近年、公園や公民館が次々と「民営化=有料化」し、お金を持たないひきこもりやフリーターの人たちが外でくつろぐこともままならない事態が進んでいる。

イギリス暴動の2年前に英国労働組合会議TUGの書記長が「政府による公共サービス削減政策は、暴動を呼び起こしかねない」という警告を発したが、実際には図書館や公民館が閉鎖されていったという(人民新聞8月25日号)。そのような社会のなかで居場所としての空間を開き始めた人たちがいる。(編集部・栗田)

スローワーク的空間は人の生き死にを決める居場所

コモンズ大学を開催しているカフェ・コモンズは、ひきこもりの支援と地域通貨 をきっかけに生まれた日本スローワーク協会が、「新しい働き方・生き方」を社会につなげるというコンセプトで、2005年開かれました。

私自身は、2005〜06年に「太陽」というカフェをやりました。元々はそのカフェの常連でしたが、カフェがなくなって、人間関係がなくなることが、とても寂しく残念だった。僕は前店主を引き継いで、そこに住みながら「太陽」カフェをやったんです。

個人宅を開放する「住み開き」は、アサダワタルさんが各地のローカルな営みを発掘 していますが、当時はまだそんな言葉も知りませんでした。路地の中+開きにくいドア(引き戸ではなくドアノブ型)では入る方も問われるのか、個人宅を開放しても怖い思いはありません。

権威主義から解放された研究

太陽カフェの頃から、「ややこし研」というのをやっていました。誰が来てもよく、自分が興味のあることを話す。これを月1回で1年やりました。コンセプトは「研究会を大学の外でやる」で、テーマは「映画」「友情」「モテルには・・・」などがありました。

カフェもややこし研も、なりゆきで始めたわけですが、このややこし研を始めた理由の一つには、「大学」の外に出たいという願いがありました。非常勤講師として、「大学にしがみついている」状況でしたが、安いし、扱いがぞんざいだし、別の可能性を見つけたいという時でした。その後、太陽カフェは別の方に継いでもらい、カフェ・コモンズで私が呼びかけて、2009年5月にコモンズ大学を始めました。

スローワーク協会の「スロースペース」というフリースクール事業として、ひきこもりの若い人たちに社会学の講義をやっていたことがあり、その経験もコモンズ大学 のきっかけの一つです。

トピックとしては、「モテる」「恋愛」「近代家族(批判)」…などです。「恋愛」的なテーマは非常に食いつきがよかったですね。

コモンズ大学の参考になったのは、韓国の大学外研究集団「スユノモ」です。大学の「ゼミ」では、正しい・正しくない、知識があるか・ないかという前提がいっぱいありますが、「ややこし研」や「スユノモ」のような自主的な集まりでは、既成の枠組みがないわけです。大きく構えれば、大学という場の、暴力的で権威主義的な指導…国民・国家官僚から、研究するという行為をオープンにしたかった。

なぜ週1回、欠かさずやるかと言えば、月1回だとイベントで終わってしまうからです。継続性・反復性を重視しています。反復して長く続けられれば、避難場所としてのカフェ+大学というか「あそこで何かやっている」「なんとかなるかも」と思わせるものになってゆくのではないか、と思っています。

企業や国家からいかに自立するか

(以下略 全文は1428号を入手ください。購読申込・問合せはこちらまで。)

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