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更新日:2011/06/06(月)

[投書] 原発事故は東電ソロバン勘定による人災

津波発生と原発への影響●兵庫・喜田春正

3月30日のロイター記事「特別リポート・地に落ちた安全神話─福島原発危機はなぜ起きたか─」(布施太郎)によれば、東京電力が、事故の言い訳に使っている「津波によって引き起こされた想定外の事故」はウソで、4年前に東電専門家チームが、津波発生と原発への影響を検討していたことがわかった。

「福島第1原発事故は、東京電力内部で検討されていたにもかかわらず、ソロバン勘定から、想定外のこととして認めてこなかったために招いた人災」というのが真相である。

東京電力の原発専門家チームが、福島原発をモデルにして日本における津波発生と原発への影響を分析、2007年、米フロリダ州マイアミの国際会議で発表していた。

この調査の契機になったのは、04年のスマトラ沖地震だ。インドネシアとタイを襲った津波被害は、日本の原発関係者の間にも大きな波紋を広げた。とりわけ懸念されたのは、福島第1原発だ。過去の地震データも踏まえて、東電の専門家チームが今後50年以内に起こりうる事象を分析。その報告には、次のような可能性を示すグラフが含まれていた。

──福島原発は1〜2メートルの津波に見舞われる可能性が高い。

──9メートル以上の高い波が、およそ1%かそれ以下の確率で押し寄せる可能性がある。

──13メートル以上の大津波、つまり東日本大震災で発生した津波と同規模の大災害は、0.1%か、それ以下の確率で起こり得る。リポートでは「津波の高さが設計の想定を超える可能性が、依然としてありうる」と指摘している。

「この分析と予見は、実際の防災対策にどこまで反映されたのか?」というロイターの質問に、東電の武藤栄副社長は「(福島第1原発は)過去最大の津波に対して余裕をもっている設計にしていた」と説明。それを超えるような津波がありうるという指摘については、「学会の中で定まった知見はまだない」との認識を示すにとどまった。

東京電力の会社内部の専門家チームの具体的な報告・指摘があったにも拘わらず、経営陣トップの一言で退けられ、その対策も全く講じてこなかった。その理由はただひとつ。「学会で定説も無く、僅か0.1%以下の確率で起るかもしれない事象に、カネを出すことはできない!」であった!!

東京電力内部でも「想定されていた地震と津波」であったにもかかわらず、人間のいのちよりカネ勘定、ソロバン勘定を最優先させた東京電力の下した判断故の人災であった。

「原発推進派の人はもちろん、反原発の人の中にさえ『今回の事故は想定外の大津波が原因だったから…』と言う人が多いけど、そうした言い訳を許してはいけない。

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