人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people@jimmin.com
反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事

▲「とんでん」の火災現場
更新日:2010/04/26(月)

[社会] みらい とんでん」の火災が明らかにした事
──遥矢当

「とんでん」の火災は人災だ!

「この寒さの中で、石油ストーブしか暖房が使えなかったのか…」。私は真横に雪が吹雪く火災現場で立ちつくし、呆然と建物を眺めた。

3月17日、出張で札幌に赴いた。用件が終わると、認知症グループホーム「みらいとんでん」(以下、「とんでん」)の火災現場に向かった。

札幌市の閑静な住宅街にあるこの介護施設は、いかにも家庭的で、ぬくもりを感じさせる風格だったのだろうと思わせた。思えば、群馬県渋川市の無届介護施設「たまゆら」の火災(3月19日)から丸1年後の出来事だ。あの悲劇からこの1年間、私たち介護職は何を学び、変えてきたのだろうか。悔しさを胸に、自問自答を繰り返した。

現場には北海道警察の車両が常駐し、まだ火災の事件性を疑っているようだった。その横で現場を眺めていると、地元紙の記者に取材された。

私は彼らに、介護施設職員であることを告げ、次のように述べた。「この寒さの中で、危険な石油ストーブしか暖房に使えないのか。この街で暮らす高齢者が寒さをしのぐために、国も行政も、何も支援をしてこなかったのか?」と。すると共同通信社の若い女性記者が、「私も去年、転勤で東京から来ました。冬の寒さが想像以上で驚いています」と返してきた。

私はさらに、「介護保険制度の基準も満たしたこの施設で起きたこの事故は、『人災』だ。今や介護施設で災害が発生し被害にあっても、それは施設を選んだ個人の自己責任が問われてしまう時代になった!」と語気を荒げた。

「たまゆら」と「とんでん」の火災の比較は難しい。ただはっきりしているのは、許認可を受けていようが、無届であろうが、介護施設で火災が発生すれば、助かる道はほとんどない、ということだ。

両施設とも、認知症の高齢者が入居していた介護施設だ。むしろ「とんでん」の火災で生存者が1名でも存在したことが特筆すべきことだし、夜勤に入っていた24歳の女性介護士を責めることは、誰にもできないと思う。もし、私がこの介護施設で夜勤に入っていたら、誰も助けられなかったかもしれない。

続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
[HOME]>[ 社会 ]


人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people@jimmin.com
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.