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更新日:2009/03/08(日)

[社会] トヨタ、投資の損失を労働者の首切りでカバーか

マネーゲームで1兆円の損失!? 「博打での大損」対策は首切りと工場閉鎖?!

『週刊ダイヤモンド』2月14日特大号は「検証!トヨタ最強伝説」と題して、同社の業績悪化とその影響を35nにわたって詳細に報告している。決算内容からその原因、下請け会社や自治体への影響、さらにリストラの凄まじさまで、トヨタが転ければ日本がダメになるといわんばかりだ。

そしてその処方箋は、固定費の削減つまり、人件費の削減=首切りと工場閉鎖だという。さすがブルジョアメディアとしての面目如実だ。

しかし、この特集でも全く触れられていない赤字の原因がある。マネーゲームによる損失だ。トヨタは、1年余りで1兆円以上のマネーゲームによる損失がある。

トヨタは昨年11月、通期営業利益予想を1兆円下方修正して6000億円と発表した。「トヨタショック」である。これ以降も、数度にわたり業績見通しを下方修正し、3度目の下方修正では、営業赤字=4000億円と発表した。わずか3ヵ月でさらに1兆円の下方修正だ。

これらはあくまで「予想」であり、春闘を前にした企業サイドからの「反撃」、また大量の派遣切りに世間の耳目が集まっているタイミングを逆手にとった世論誘導として、意図的につくり出された「赤字予想」の可能性も大きい。

今日本は、金融危機を理由とする首切りが大手を振ってまかり通っている。経済活動収縮による業績悪化が大義名分とされているが、赤字には、隠されたマネーゲームの損失が大きく含まれている。

博打で大損をもたらした経営陣がマネーゲーム失敗の責任を問われぬまま、まじめに働いて利益を生み出してきた労働者の首を切っていいのか。

厚生労働省発表(1/30)では仕事を失う非正規労働者は12万4802人!

トヨタ自動車鰍フ財務諸表に「投資およびその他の資産」・「有価証券およびその他の投資有価証券」との項目がある。いわばマネーゲームへの掛け金残高だ。その増減を表したのが左のグラフだ。最新の決算資料(08年12月30日)では2兆4455億6600万円。さすが世界企業=トヨタだ。博打への掛け金が2兆円。大阪市の予算を軽く上回る。

ところが07年9月末を見ると、3兆4000億円余り。1年3ヵ月で約1兆円減っていることがわかる。ひょっとして賢明な経営陣が、博打から手を引いたのだろうか?さすが世界のトヨタの経営陣だ。金融危機を前に本業に専念し始めたのかもしれない。

会計士に問うてみると「この項目は資産残高の一部だから、株の保有残高を示す。売買によっても増減するので、この資産の減少がただちにマネーゲームの損失とは言えない」という。

そこで日経株価指数との関係を見た。見てのとおり、増減はきれいに一致する。つまり、トヨタは、日々の売買はあったとしても、一定の投資用の株を保有しており、株価の動向で保有株の資産額が決まるから、株価が急落した昨年半ばからの落ち込みが激しいのだ。残念ながら、優秀なトヨタ経営陣も、博打の魅力には勝てず、大穴を開けてしまったようだ。

この穴をどう埋めるのか?金融危機は危機の序の口であって、株価が上向く可能性は当分ない。そうなれば本業の儲けで穴埋めするしかないが、自動車販売も低調となり、売上げも上がりそうもない。そうなれば残された手段は1つだ。工場の撤退と労働者の首切りなのである。彼らの言葉でいう「固定費の削減」だ。

トヨタは、社員を非正規に代えて人件費を圧縮、下請けをイジメ倒して07年には、空前の利益(約2.3兆円)をあげた。この利益も博打に投入し、自らも「トヨタ銀行」として金融活動を活発化させたが、バブルがはじけて、「赤字になる!赤字になる!」と大騒ぎしているのである。

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