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更新日:2008/11/27(木)

[コラム] 栗田隆子/良いセックスをしたいと叫んだら

今、ちょうどフリーターズフリー(略してFF、一部「フリフリ」と呼ぶ人も)2号編集のヤマ場を迎えている。正直この編集のこと以外何も考えられない状態だ。フリーターのことも、女性問題のことも、いわゆる活動も、それこそ一歩前に佇み深く関わった実感もあまりないまま、いつのまにかFF2号の責任編集を担わせていただくこととなっている。こういう活動は万年人手不足で、というか人手が足りたことがあまりないためにこの「人手不足」が当たり前のように感じられる部分もあるとは思うが、やはり人も知恵も資材も本当に必要だと痛感する。貧困問題は、まさに運動そのものの貧困でもあることをもっと認識したほうがいい。

先月の9月28日(日)に千駄ヶ谷区民会館でおこなわれた「女性と貧困ネットワーク」の集会にしても、気がつけば(人手不足だから……!?)呼びかけ人となっていた。「私でいいの?」という思いと裏腹にいつのまにやらアピール文を会場で読む自分がいた。(アピール文はこちらでぜひ読んでみてください。 女性と貧困ネットワーク)。

そして、10月19日(日)「反貧困世直しイッキ!」では、デモの横断幕などを持ちながらシュプレヒコールをあげた。

「女一人でも生きていけるようにしろ」

「妊娠を理由に解雇するな」

「セクハラやめろ」

というコールに対し、男性たちも共に叫ぶ姿が印象的であった。私は60・70年代のデモやシュプレヒコールを知らないが、こんな風に男女でコールをあげたのかしら、と思った。

そのとき、シュプレヒコールは「祈り」にも似ていると感じた。限りなく政治的な行動だけれど、しかし、それは何よりも自分自身が何を求めているかを自覚していくための、そんな叫びにも聞こえてきた。自分の声を、願いを人に伝えると同時に自分の耳でよく聞き取ること、自分の願いを自ら知りつつ、それを他人とともに叶えていくこと。祭りとデモは近い。それこそ政治と宗教が危ういバランスの関係のなかで存在していることは、現在の天皇制や靖国に限らず、その高揚感や臨場感を伴う感覚のなかにその片鱗が存在している。それは認めなければならないと思う。

さて。

そんなシュプレヒコールの嵐の中、横断幕を上げつつ「良いセックスとは何か」ということを考え始めてしまった。というのも、9月28日(日)の「女性と貧困ネットワーク」立ち上げ集会における「貧乏体験発表」―学生結婚をした後に再度復学を決意した女性に対し「手かせ足かせつけるため」妊娠を強いられたということ、男性方の家族に出産の反対を受け6度中絶をし、家出をしてやっと子どもを出産できた外国籍の女性の話等―を聞き、性暴力を含む直接的暴力が女性を貧困に追いやる要因の一つであると実感されたからだ。

「良いセックス」などと言ったら、もう「バイアグラ」だの「セックスをしてキレイになる」という話に持っていかれる。それだから性が強烈な支配関係を生み出していくんだとつくづく思う。「良い」「悪い」などと論じることすら冗談になっていきがちなセックス。いっそ「良いセックスをしたい」と叫んでしまえばよかったか。暴力的じゃないセックスを声を大にして望むのは「はしたない」ことか……?とりあえず、この紙面を使って叫んでしまいました。一緒に叫ぶ「声」(考える声)募集中です。

追記:フリーターズフリー2号いよいよ刊行間近です!

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