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更新日:2008/07/14(月)

[コラム] 遥矢当/情熱もつ現場スタッフを潰した医療制度

仕事に疲れ切った元・看護師長

「介護保険制度がまた改正され、転職市場も目まぐるしく動きます。職場に不満をお持ちなら、新しい職場にチャレンジしませんか?」新年度に入って、転職コンサルタントからメールで連絡があった。いくら介護業界が常に人材が不足しているとはいえ、時期はずれだ。

私は、様々な職場での経験を通じて、介護職として向上したいと考えている人間だ。今の職場に対する思いは様々あるが、新しい出会いは拒まない。彼に会うことにした。

40代後半のコンサルタントは、看護師として長年勤めてきたと自己紹介した。現場出身のコンサルタントは珍しく、関心を持った。介護も看護も知らない人物が転職を勧めることが多く、転職の多くが失敗し、労働問題に発展するケースが目立つからだ。

彼は、徳州会グループで看護師長として勤務し、その後は神奈川県にある心臓手術で有名な大和成和病院でも活躍したそうだ。女性中心の看護現場で男性が中心となったのは特筆に値する。政府主催の園遊会にも出向いたそうで、その派手な経歴を更に飾っていた。インターネットでも、彼の名は看護の世界において多く紹介されていた。

私は彼の話を聞けば聞くほど、疑問が膨らむばかりだった。率直に彼に聞いた。「これほどの経歴があるなら、看護師として十分社会に貢献できるはずなのに、なぜ転職コンサルタントになったのか?」と。すると彼は、大量の向精神薬をテーブルに出して私を見据えた。「私は1年365日の間で10日休めればいい方だった。疲れきって、もう看護の世界は十分だと思った。今の転職コンサルタントの仕事を選んだのは、たまたまかな」などと話したが、その目は据わっていた。

私も高齢者相手の仕事をしているので、薬に関する知識は多少なりともある。彼には失礼だと思ったが、彼の人格が保たれているか心配になった。そして、今私と会っているその瞬間にも彼は薬に手が伸びそうになった。私は機先を制し服薬を止めた。彼が必要以上に向精神薬を服薬しようとしていたからだ。「今のあなたには服薬の必要はないはずです」と諦めさせた。

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