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▲「コムニタス・フォロ」の山下耕平さん
更新日:2008/07/14(月)

[反貧困] ひきこもりの労働問題

不登校、フリーター、野宿者、同じく向き合う自己責任論

本紙新年特集「フリーター運動座談会」(1299号〜1301号)では、「働かせろ」と「働かないぞ」の共存というテーマのなかで、「労働」以前の課題について問題提起をいただいた。

栗田隆子(フリーターズフリー)は自身の不登校を「贅沢な悩みだ」と非難されてきたことを踏まえ、「わたしのフリーターとしての悩みもそれに似ている」と述べた。仕事が全く無いわけではない。だが、仕事についていけず、転々とする。「自分は弱く、贅沢なのか?」

生田武志(フリーターズフリー、野宿者ネットワーク)は野宿者の就労支援において「いまの労働のあり方はどうなのか?」という問いの重要性を指摘し、不登校の場合も、「元気になれば学校に行く」という話ではなく、問題はむしろ学校というシステムにあると指摘した。

新自由主義による労働者使い捨ての「自由」と、従来のシステムからの脱出としての「自由」を求めてもがく若者の姿。「二つの自由」(生田)が交差する場所で「働かせろ/働かない/働けない」の声が混ざり合っている。また、かつて不登校を生きた若者たちはいま、生きていくための就職に際し、学歴差別という困難と向き合っている。

声をあげる若者とひきこもる若者は、「労働」の前か後かというばかりでなく、同じ現実と闘っているはずだ。彼/彼女らの共闘の可能性はどこにあるのか?「不登校・ひきこもり」の今を探った。

人民新聞社では「不登校・ひきこもりからの発信」として、くまもとよわいものメーデーの馬野骨介さん、記事中の吉岡さん、山下さん、生田さんらをお招きして座談会を開催する。(敬称略:編集部・中桐)

「子ども─学校」から「若者─社会」の関係を問う

「中学の時にはずっとイジメを受けていた」――口を開くなり、Aさん(23歳・女性)はそう告白した。それでもがんばってがんばって学校に行った。いじめっ子のいない「いい高校」へ行こうと、必死で受験勉強をした。同級生にしゃべれない子がいたが、当時のAさんは「心」をバカにしていた。「そんなの、現実逃避やん」と思ってきた。

必死の甲斐あって、希望通りの高校に受かった。だが、緊張の緒が切れたように、無気力になり、イライラが募った。一方で、受験戦争に勝ったことでプライドも芽生え、友人もできた。競争に勝っていい大学に受かることが「いいこと」だと思っていた。予備校にも通って、ダイエットもした。父親にイライラをぶつけ、ある時に怒鳴られて、「ぷっつん」と切れた。

2年生でうつになり、学校に行かなくなって中退した。ひきこもって、死ぬことばかり考えた。やせたくて、吐いてばかりいた。周囲に理解してくれる大人はいなかった。「地獄だった」。――そのとき、それまでバカにしてた「心」に気づいた。「これが心かあ」

大阪にある『コムニタス・フォロ』。ここは、フリースクールを運営するNPO法人フォロが06年に開設した、18歳以上を対象にした「若者の居場所的ネットワーク」だ。『不登校新聞』(98年創刊、04年『Fonte』と改題)の編集を担った山下耕平(35歳)がコーディネーターを務める。「ひきこもりや「ニート」の問題も視野に入れ、子どもと学校の関係だけじゃなくて、若者と社会の関係も考えたい」(山下)という思いから、「若者世代といっしょに考えていく場」をつくり出した。

コムニタス・フォロでは週に一度サロンを開き、不登校経験者を始め、若者たちが集い、語り合う場をもつ。この日のテーマは、参加者の発案で「不登校」について。当事者の語りに耳を傾けた。

Aさん「何でこんな簡単な選択ができなかったのか」」

冒頭のAさんは精神病院に入院したことがある。同じく入院していた40代の女性に「あんた17歳か。かわいそうにな。人生終わったな」と言われた。「ここは私のいるところじゃない」と思った。

その後Aさんは、コムニタス・フォロと出会う。スタッフが自分の子どもが学校に行かないことを当たり前のように受け止めているのを聞いて、「何でこんな簡単な選択ができなかったのか」と驚愕した。ずっと「行きなさい」と言われてきた。学校は義務なんだから、行かないと逮捕される、と思いつめていた。

今は、アルバイトを転々とする生活をしている。ラーメン屋、清掃業、飲食店…。週に一度コムニタス・フォロに足を運び、仲間やスタッフと語り合う。快活に、とめどなく自身のことを語るAさん。「がんばることをやめればいいのに」と繰り返すAさんだが、後述するように、社会に出たことをハッピーエンドで片づけられるほど、簡単なストーリーではないようだ。

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