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更新日:2008/06/03(火)

[反貧困] 派遣法改正/「平等」は日雇いの高賃金保障で

水野阿修羅さん「「平等」は日雇いの高賃金保障で」

日雇い派遣の労働条件が最悪であるとして、大きな問題となっている。

これを問題にするのは大賛成なのだが労働条件が悪いのは、「日雇い」だからではないだろう。マクドナルドの「名ばかり管理職」で暴露されたように、「管理職」という名目で、サービス残業や労働強化を強いる会社はいくらでもある。今や日本中のほとんどの企業が、そういう形での「労働者管理」をしている。

―『労務管理』というのは経営者側のことばなのに、労働者側からも、労務ということばを無自覚に使う人が多い。明治元老の山県有朋は、『労働』という言葉は『社会主義』とつながるので、『労務』と言い換えるべきと言ったそうだ。そのため、権利を主張する人々は『労働者』を使い続けた。戦後、『労務者』は差別語として主に肉体労働をする人々に使われている。―

本題に戻ろう。「管理職ユニオン」という組合ができた当初、私は違和感を感じた。「労働者の権利を主張する人が管理職になるなんておかしい」と思ったからだ。しかし、資本は労働者をこき使うために管理職扱いにすることを知った時、「管理職ユニオン」はすごい組織だと思った。

戦前、産業が急成長する時、正規雇用を増やしたくなかった資本は、『臨時工』を考え出した。しかし当時の労働組合は臨時工も仲間と考えて、『臨時工反対闘争』をした。資本は、臨時工をなくしたが、かわりに、労務を『下請け業者』に出して、かつての臨時工を『社外工』という形で存続した。そして社外工の多くは、日雇い扱いだった。

1970年、大阪・釜ヶ崎に『あいりん労働福祉センター』が建てられた。1階は求人・求職の場で、『相対方式』と呼ばれる業者と労働者が直接交渉する方法がとられた。2階には『あいりん職業安定所』が作られたが、職業紹介はせず、失業保険を払うだけの場だった。

「センター」の1階寄り場は、一番いい場所を「新日本製鉄」「日立造船」「三井東圧」「大阪ガス」などの社外工募集の大型バスが列をなしていた。全港湾労組は社外工組合をたくさん組織した。それに対し資本は、合理化・機械化を押しすすめ、社外工の求人を直行化し、釜ヶ崎に表向きは求人しなくなった。

釜ヶ崎の南側にあった職安(あべの職安西成労働出張所)が日雇いを紹介していたのだが、法律を遵守する引き替えに賃金は安かった。そのため労働者が集まらず、業者は北側の環状線沿いに路上手配していた。労働条件はキツイが賃金が高いので、職人や若い労働者はこの北側寄り場に集まった。この路上手配をベースに、70年万博工事に大量の労働者が必要ということで「あいりんセンター」が作られたのだった。

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