人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people@jimmin.com
反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事

▲(上)「公園から出さない」と阻止線を張った福岡県警に抗議する参加者たち/(下)参加者の表現は自由で多彩だった。「武装より女装」
更新日:2008/06/03(火)

[反貧困] プレカリアートは連結・増殖する

はじめに

昨年、対グッドウィル闘争などで注目を集めたフリーターユニオンが今年は、全国で増殖を始めた。昨年のメーデーは、東京(自由と生存のメーデー)・大阪(ビンボー☆メーデー)が注目されたが、今年は、地方都市に広がり全国14ヵ所を貫くゴールデンメーデーウィークとなった。「黄金の旅団」が全国ツアーを行い、各地のメーデーを「連結」したことで、連帯の絆は広がり強化された。

「黄金の旅団」は、4月26日、10人乗りのワゴン車で東京を出発。各地で飛び入り参加を求めながら名古屋・熊本・福岡他14ヵ所のメーデーを分担しながら回った。4月29日、熊本・KYメーデーに合流し、「黄金の旅団」に同行取材した。全国各地のフリーターメーデーを報告する。(編集部)

【フリーターメーデー】「黄金の旅団」が全国を駆け抜けた!

「今日奪われたものは、絶対に奪い返す」。FUF(フリーターユニオン福岡)委員長の小野俊彦さんは、語気を強めた。FUFが呼びかけた「フリーター/貧民メーデー五月病祭2008」は、福岡県警の弾圧でデモ中止に追い込まれた。小野さんは、まとめの集会で「表現の自由に対する弾圧を既成事実化させず、路上を奪い返す」と力強く宣言した。

5月1日、福岡市中央区の駅前公園での集会後、「反貧困」と書いた旗などを掲げてデモに出発しようとしたところ、50名ほどの制服警官が突如現れ、出口を封鎖した。集会前から私服警官10名たらずが集会の様子を伺っており、「いつもとは違う警備体制だった」(FUF・竹森真紀さん)。

小野さん自身も「1週間かけて作った」というピエロ=ドナルド君のコスプレ。ほとんどの参加者が動物の着ぐるみやメイド服・女装のデモ隊で、平和的この上ないものだったが、福岡県警は、「公園から出さない」と通告。公園出口は、デモ隊と警官に加え野次馬が周囲を取り囲み、騒然となった。

デモ隊は「表現の自由を奪うな!」「メーデーを弾圧するな」と抗議。規制の法的根拠を問うて指揮している男にマイクを向けたが、無言。責任者の氏名・階級を問うても無言。警察手帳の提示を求めても無言という、問答無用の弾圧であった。コスプレ集団がいかつい顔の警官達に猛烈に抗議し、指揮官は全く反論できない。この異様な光景は、しっかり通行人の目に焼き付いたに違いない。

FUFはこの日のデモ申請を行わなかった。車道を使うデモは、危険回避のために許可申請をしてきたが、今回は歩道を歩く予定で、「普通に表現の自由を行使したかっただけ」(小野さん)と言う。背景には、ビラ撒き一つにも「許可」を求められ、警察の介入も度々だったからだ。路上は、市民の公共空間。「うるさいという人がいたら、当事者同士が議論すればいい。警察の介入を許せば、表現の自由も自治も破壊される」と小野さんは語る。

福岡県警側は、「道路交通法違反になるおそれがあるので制止した」と説明しているが、竹森真紀さんは、「予防弾圧だ」と批判する。「交通違反のおそれがあるからと、車の運転を規制するようなバカげた行為」と批判した。

今年初めて福岡メーデーに参加したという松村貴嗣さんは、警察の登場に戸惑いながらも、「平和的デモなのに、犯罪者予備軍のようにあつかわれた」と怒る。コスプレ集団へのデモ規制は、「自由な表現への弾圧であり、フリーターへの弾圧である。

「周りの人たちはおもしろがってくれてたし、ビラの受け取りも本当に良かった。予定していたデモはできなかったが、FUFの主張や警察のおかしさは、十分アピールできた」と小野さんは総括する。

続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
[HOME]>[ 反貧困 ]


人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people@jimmin.com
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.