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更新日:2008/05/12(月)

[社会] 限界集落キャンペーンへの違和感
──大今歩

山村つぶしの失政問わず、自助努力求める議論の愚

日本には近い将来、消滅の恐れのある限界集落が約二四〇〇あるという。限界集落とは、六五才以上が人口の半数以上を超え、社会的共同生活の維持が困難になった集落である。

私が一七年前から暮らしてきた京都府北部の山村もその一つであり、人口は一七人しかなく、しかも六五才以上が一三人で、高齢化率は七六%を超えている。

しかし、昨年頃から「限界集落を消滅させるな」と盛んに行われているキャンペーンに違和感を禁じ得ない。

まず第一に、山村を限界集落に追い込んだのは政府なのに、その責任を追及する視点が希薄なことである。政府はこれまで大規模農業を奨励する一方で、山村の農林業を切り捨て、過疎地の足であるローカル線やバス路線を廃止してきた。

さらに郵政民営化や市町村合併の強行は、山村への行政サービス低下をもたらしてきた。ところが、これらの政策に対する批判はほとんどないのである。

第二に、「限界集落を存続させねばならない」との根拠が実態に反しており、都市に暮らす人々からの視点でしかないことである。限界集落のほとんどは、中山間地(山林およびそれに準ずる地域)にある。一九九九年に制定された「新農業基本法」は、「中山間地への支援」を定めているが、その根拠は、@水田による洪水防止、A水源かん養などの多面的機能、である。

しかし、いずれも事実に反している。まず、@水田が洪水を防止するダムの役割を果たす、という点について。田植えの後、梅雨時に雨が激しくなると、できるだけ田から水を落とすのが実態だ。また台風シーズンの八月中旬以降は稲刈りの準備のため、田に水を入れない。従って、水田は全くダムの役割を果たさないのである。

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