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更新日:2007/07/18(水)

[コラム] 山村千恵子/少子化、いいじゃあない?

「使い捨て人間」が増えてもロクなことない

「貧乏人の子だくさん」─おおぜいの家族が、大き目の卓袱台を囲んで食事をする風景。「三世代住宅」の話ではない。食事がすめば、卓袱台は片付けられ、びっしりと布団が敷きつめられる。これが庶民の家だった。憲法にうたわれた「健康で文化的な」生活は、夢の夢だった。

一九五六年度の厚生白書は、序章「わが国の人口問題と社会保障―人口の重圧」の中で「わが国における過剰人口の重圧が、国民生活の急速な回復あるいは向上を妨げているということは、ここで確かに言いきってさし支えないと考えられる〜もちろん、戦後における人口の増加は、働き手、稼ぎ手であるところのいわゆる労働力人口の増加でもあったので〜」と述べている。

今問題になっている「ドミニカ移民」をはじめとする無謀無策な移民政策や、北朝鮮帰還運動推進は、こういう過剰人口対策の一つだった。 「産めよ、増やせよ国のため」との国策の結果がこれだった。

一九五七年の厚生白書では、第二章「医療保障とその関連施策、第五節(二)家族計画」で「現在、受胎調節を必要とする有夫の婦人数は約一二〇〇万人と推定されるが、そのほぼ半数は受胎調節の知識を有していないと考えられるほか、経済的理由のために実施していない人があるし、すでに実施している人についても、その効果を十分にする必要があるので〜」とある。 「産児制限」「家族計画」という言葉が、薬局の店先などに張り出されていたのだ。妊娠中絶すら暗に奨励されていた。

それがいつの間にか、「少子化対策」などを問題視されるようになった。

一億をゆうに超える人口が、少なすぎるはずがない。

労働人口の減少?機械化されて、一〇〇人必要だった労働を一人でこなせるようになったなら、労働人口は一〇〇分の一に減ってもだいじょうぶだ。労働収益は、機械を提供する資本が半分取るにしても、五〇倍の賃金が与えられてしかるべきだ。ワーキングプアーなどという言葉が生きているのに、労働人口が少なすぎるはずがない。

社会保険が支える老人の割合に対して、労働人口が少ない?社会保険のことは社会保険の枠内で考えるのか?それなら、逆であった時代のたくわえがあるはずだ。余剰を他に流用していたのなら、足りなくなれば他から補えばよい。

乗降客が明らかに増えている駅でも、駅員は明らかに減っている。ローカル線ともなると、運転手人一人で車掌も駅員もかねている。つまり一人当たりの生産性は格段に高くなっている。「三人の働き手が一〇人の老人を支える」という数字のトリックに引っかかってはならない。少ない働き手で十分支えられるのだ。掛け金を掛け続けてきた老人に年金を支払わないことの口実に、少子化を利用させてはならない。それに「保険のために子供を産め」、などとは本末転倒はなはだしい。

無意味な保養所を作ったり、納めた年金を宙に浮かしたり、の乱脈経営こそ問題なのだ。高級官僚の天下りを根絶しない体質こそ問題なのだ。

国は、機械化で余剰ができた生産力で、健康で文化的な住環境、能力や適性に応じた仕事、両親ともに子育てを十分楽しめるゆとり労働を保証すればいい。間違っても、その余剰生産力を、金が金を生む株主と、その献金で国民使い捨て法案を強行採決する政治家に独占させてはならない。

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