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更新日:2007/05/17(木)

[社会] 都教委の「君が代」処分にお墨付き与えた最高裁
大今歩

はじめに

今春も卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったことなどを理由に、広島県教委は九人の教職員に対して戒告・訓告、東京都教委は教職員三五人に懲戒処分を発令するなど「君が代」処分が相次いだ。このような教委の強硬姿勢に「お墨付き」を与えたのが「君が代」ピアノ伴奏訴訟の最高裁判決である。この判決について考案する。(筆者)

初の最高裁判決

二月二七日、最高裁第三小法廷は東京都日野市立小学校の一九九九年の入学式で「君が代」伴奏をしなかったとして戒告処分を受けた音楽教諭の処分取り消しを求める訴えを、「伴奏命令は合憲」として斥けた。「日の丸」・「君が代」による教職員処分に関する初の最高裁判決である。最高裁判決(多数意見)が「職務命令は教諭の思想及び良心を侵すものとして憲法一九条に反するとはいえない」としたが、その内容について検討したい。

歴史観や世界観を否定しない?

判決はまず、「国歌斉唱の際のピアノ伴奏を拒否することは、原告にとって歴史観ないし世界観に基づく一つの選択であろうが、一般的にはこれと不可分に結びつくということができず、ピアノ伴奏を求める職務命令が、直ちに原告の歴史観ないし世界観を否定するものとは認めることはできない」とする。しかし、ピアノ伴奏しなければ処分される、処分を免れるためには「歴史観や世界観」に反してピアノ伴奏をしなければならないという苦痛を教諭に強いる職務命令が、教諭の「歴史観や世界観を否定する」ものであることは明白である。また、教諭が事前に校長にピアノ伴奏できない旨を告げていた。ならば、CDやテープを用いるなど、ピアノ伴奏の代替措置を行えなかったのであろうか。職務命令は教諭の「歴史観や世界観」に関わることであるから、判決では当然そのことについて十分な検討が必要だったのに、全くその形跡すらみられない。

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