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更新日:2006/11/12(日)

[コラム] 平壌・アジア新時代研究会/「朝鮮半島の危機」は常に外部から

屈服か核戦争か

核は、世界で唯一の被爆国である日本人にとって非常に鋭敏な問題であり、今回の朝鮮の核実験には不安と反対の声が大きくなるというのは当然だと思います。核拡散の防止、究極の世界の非核化はわれわれ日本人が強く主張していくべき問題だと思います。

しかし、ブッシュや安倍のように政治的目的からヒステリックに「制裁」を叫ぶのは論外であり、非核をめざす立場からどう対応すべきか、熟慮すべき問題です。私は、当事者である朝鮮の人々(南北の)にとってはどうなのかを冷静に見た上で、日本人として考えるべき問題について述べます。

日本では、「朝鮮半島の危機」や「北朝鮮の脅威」が声高に叫ばれていますが、朝鮮現地にいて実感する「危機」や「脅威」は、南北朝鮮の内部からではなく外部からくる「危機」や「脅威」です。このことは当地にいる私たちがぜひ伝えなければならないことです。

内部的にみれば「朝鮮半島の危機」はこれまで着実に緩和と解消に向かってきました。これを南北人民が大歓迎しているのは言うまでもありません。二〇〇〇年六月の南北首脳会談での「六・一五南北共同宣言」以降、南北関係は歴史上かつてない転換が起こっており、今ほどうまくいっている時はありません。

また「北」では社会主義の世界的崩壊、米日の経済封鎖・軍事的圧力政策、自然災害の三重苦にあった二〇世紀末の「苦難の行軍」時期は終わり、経済的にも「危機」を脱し、強盛大国建設の段階に入っています。つまり内部的に見れば危機は緩和、克服されこそすれ悪化する条件は何もありません。

「危機」も「脅威」も、外部から押しつけられているものです。二一世紀に入る直前には朝米国交正常化寸前にまでいったのをブッシュ政権が全てひっくり返し、「北」を「悪の枢軸国」と規定し「核先制攻撃対象」にしました。経済交流など南北関係の進展に水を差してきたのも、常に米国はじめ外部勢力です。

一年前米国は、最後に開かれた朝鮮半島非核化のための六者協議で中国、韓国、ロシアに譲歩を迫られ、「北への軽水炉提供」や「朝米国交正常化交渉」などが義務づけられました。こうして自分が不利になるや、唐突に「北朝鮮への金融制裁」を強行し、六者協議を破綻させたのは、米国です。

今回の「北」の核実験もこの文脈で冷静に考えてみる必要があります。

南北和解や「北」の安定を快く思わないブッシュ政権の「核先制攻撃」論で具体的脅威を感じているのは南北朝鮮の人々です。また核保有大国が核兵器を先制使用することを禁じた核拡散防止条約(NPT)を平気で破るという国際法違反を犯しているのは米国自身ではないでしょうか。

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