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更新日:2006/04/22(土)

[海外] パレスチナ/胸が悪くなる軍事作戦
──三月十八日付 ウリ・アヴネリ 翻訳/脇浜義明

エリコ侵攻…選挙のための陰謀作戦

何故胸が悪くなるかといえば、それが選挙プロパガンダとして行なわれたからだ。政治家が票集めのために軍を進撃させるのは、実に嫌悪すべきことである。この作戦では三人が死に、多くの命が危険にさらされた。これが選挙キャンペーンの人殺しであることは誰の眼にも明らかで、二日前の世論調査でも四七%が「選挙用軍事行動だと思う」と答えた。

オルメルト・イスラエル首相が、権力欲しさに死体を踏み越えたのはこれが初めてではない。彼のエルサレム市長時代、モスクの下にトンネル掘りを強行して(予測通り)騒動が勃発し、数十人の死傷者が出た。

シャロンから引き継いだオルメルトの党・カディマは人気が下り坂である。オルメルトはシャロンではないことが気づかれ始めたのだ。シャロンの栄光は勝利将軍だったことに由来している。ヨム・キプール戦争のとき、包帯頭で戦場を駆け巡ったものだった(一体あの包帯は何だったのか?いまだに不明である)。オルメルトも輝くような軍事功績が欲しくてたまらなかった。策略はうまくいった。先ほどの世論調査では、エリコ攻撃の結果「カディマ党に投票する」と回答した者は二〇・七%もいた。

一般的に言って、栄光で飾られた軍人政治家の後を受け継いだ文民出身の政治家には用心した方がよい。チャーチル・英首相の後継者アンソニー・イーデンは、一九五六年一〇月、スエズ運河侵攻を行なった。

あのスエズ侵攻は陰謀戦争であった。英国は、英国が大株主であるスエズ運河会社を国有化したガマル・アブダル・ナセルを倒したかった。仏国は、アルジェリア解放闘争を支持しているナセルを倒したかった。イスラエルのベングリオンは、新装備したエジプト軍を潰したかった。英、仏、イスラエルの陰謀の仲介したのは、現在カディマ党ナンバー2のシモン・ペレスであった。

まず、シャロンが指揮するイスラエル落下傘部隊がスエズ運河付近へ降下した。次いで英国と仏国が最後通牒の形で、エジプトとイスラエルに「運河から軍を引き上げよ」と呼びかけた。運河はエジプト領内にあるから、馬鹿げた呼びかけである。イスラエルが最後通牒拒否、それに応じて英・仏両軍が運河付近へ侵攻、シナイ半島全体をイスラエル軍占領に任せた。この陰謀はあまりにも原始的でみえみえだったのですぐに正体が暴露し、イーデン首相は失脚した。

今回のエリコ侵攻もこれに似ている。英国と米国はアブ・マゼン(アッバス自治政府議長)に、後で触れる合意に従ってエリコに駐在させていた監視員の引き上げを示唆した。それから、別個極秘でオルメルト首相と決めていた時期に監視員を引き上げ、その後でイスラエル軍がエリコへ侵攻したのである。侵攻は数週間前から準備されていた。

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