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更新日:2004/02/04(水)

[海外] イスラエル軍、ナブルス地区を再び封鎖

イスラエルのナブルス包囲に介入を

ナブルスはもう一〇日間も包囲・封鎖され、バラータ難民キャンプは、一八日間連続して封鎖されている。キャンプの出入口はすべて完全封鎖で、食料も医薬品も搬入できない。医療救援チームもイスラエル軍に足止めされている。イ軍の蛮行を監視・記録するISM(国際連帯運動)の活動家も、見つかれば直ちに攻撃の的になっている。近くのベイト・フォレークも、イ軍の包囲下で、町長は住民の飢えを訴えている。

今朝二人の男性と一人の少年が射殺された。アムジャド・ビラル・マスリ(一五)は、家の前で立っているところを、狙撃兵によって背中を撃たれ、診療所へ運ばれる途中で死んだ。アメル・カシム・アラファトも背後から撃たれた。ルヒ・ハゼム・ショウマン(二五)も、同じように狙撃兵に背中を撃たれた。

「パレスチナ政治党派調整委員会」のスポークスウーマンのマジダ・マスリは、住民たちに、外出禁止令を無視して、行ける者はみんなラフディア病院へ行って、三人の家族とともに合同葬式に参加するように呼びかけた。「三人とも卑劣な狙撃兵に背後から撃たれました。彼らが何をしたというのですか。パレスチナ人からパレスチナを奪おうとするイスラエルに屈するのを拒んだだけです」。

バラータ難民キャンプの出入口をすべて塞いで、食料も薬品も通過させないイ軍は、意図的に住民餓死作戦をやっているのだ。数日前イ兵は、病気で死んだ老女の葬式行列へ発砲し、四人を負傷させた。デモでも政治行為でもない普通の葬式だったのに。

昨年一二月三〇日以来、ナブルスとその近辺(ヤスメーネヘ・カリョウン・ハバレヘ)包囲が一段と強まった。イ軍は、「アル・アクサ殉教団の指導者、アブ・シャルクを捜索するためだ」と言う。イ軍は、彼の妻と兄を人質にとった。妻をジープに乗せて旧市街を回り、無理やり「あなたが投降すれば、私は釈放される」と拡声器で言わせた。彼女は、やっと昨日解放された。

旧市街には、誰も入ることも出ることもできない。「パレスチナ医療委員会連合」の委員で、ナブルスに住むガッサン・ハムダン医師は、世界中にナブルス包囲に介入することを呼びかけている。彼は、ナブルスの出来事を伝えないマスメディアを非難、とりわけパレスチナの大新聞「アル・クーズ」を批判し、さらに何もしないパレスチナ自治政府を批判する。「アブ・アラー首相は、閣僚会議をナブルスで開いたらどうだ。そうすれば、我々が残忍なイ軍のためにどんな目にあっているか、世界中にアッピールできるだろう」。

これは闘うナブルスの人々への戦争だ

旧市街で爆発音がした。アブデルハディ宮殿の中のカリョウン地区だった。あそこには七五人の人が住んでいる。宮殿は四〇〇年の歴史を誇る遺跡で、マハモウド・アブデルハディが「住む場所も収入もない女性(未亡人、仕事も他の収入源もない独身女性、夫が障害者の女性など)の使用に」と寄贈したワクフ(イスラム法にのっとった寄贈品で、社会事業、慈善、宗教用に使用される)。イ軍は午前三時半に、七五人の住人に退去命令を出し、寒空へ放り出した。近所に住むアスラン氏が彼らの面倒を見た。アスラン氏の家族は旧市街のあちこちへ行っている間に外出禁止令が厳しくなったので、帰宅できないでいる。

マハ・ゲイト付近を境として、ナブルスは再び二つに分かれてしまった。マハというのはその付近に住んでいたマハ・ニムルさんの名前に因んだもの。彼女の息子は逮捕され、現在オフェル入植地内の刑務所(ラマラの近く)で尋問中。家族も弁護士も「尋問が済むまで」面会できない。

住民たちが「トーラ・ボーラ」と呼ぶ丘は、イ軍が破壊したナブルス市役所、及び〇二年に囚人もろとも爆破した刑務所の跡に積んだ土砂の山である。これが物理的にナブルスを二分、誰もイ軍銃撃の危険をおかさないではその土砂の山を越えることはできない。土砂の向こうに学校があるので、子どもたちは危険をおかして学期末試験を受けに行く。昨年一二月二三日、下校途中のイブラヒム(一〇)と級友たちは殺されそうになった。子どもたちの親族や、外国の記者や、医療救援関係者などが命がけで抗議、「子どもたちにチェックポイントを通過させろ」と要求し、数時間後やっと帰宅できた。

ムスターファ・バルグーチはイ軍の血なまぐさいナブルス攻撃を「事実上、戦争を仕掛けている。ナブルスの別名は「火の山」。それは住民たちの信念が固く、イ軍の脅迫や圧迫にもめげず、パレスチナ人の権利のための闘いをやめないからだ。イ軍にとっては癪の種だからだ」と言う。さらにバルグーチは、ナブルスに関する報道が一切ないのは、「自治政府がナブルス住民を守る責任をまったく怠慢していること」に原因がある、と言う。「自治政府は、パレスチナ人民の決意を崩すことしか頭にないイスラエル占領政府と会合ばかりやって、時間とエネルギーを浪費しているだけだ」。

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