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編集一言2011年06月ログ

二つの悲劇
 9.11から10年を生きて、私たちは、3.11を経験している。2つの悲劇が世界に与えた衝撃の違いはどこか? 前者は都市を襲い、後者は田舎を襲った。
 前者は憎悪による犯罪。後者は自然災害。けれど、原発事故は電力会社と国家が共謀した犯罪ではなかったのか。
 死者の命は共に重い。数の多寡ではなく、かけがえのない生命として。福島第1原発が垂れ流し続ける放射能によって、未来にどれだけの命が奪われていくのか?誰も知らない。
 人類を何十回となく全滅させうる核兵器を独占し、全世界で武力行使する国の大統領が、ビン・ラディンの暗殺を実行した。これが、拡散し続けるテロを封じるものだと信じる人は、いない。憎悪の連鎖が再び、いわれなき人々の生命を奪うだけなのに。
 9.11から10年。チュニジアに始まった民衆革命がエジプト、リビア、シリア、ヨルダンへと波及している。反乱が独裁政権打倒の先に、イスラエル=アメリカによる中東支配打倒を射程に入れていることは間違いない。
 生きる尊厳を踏みにじられてきたアラブの人々にとって、世界は変革すべきもの。都市に巣くう権力者は打倒すべきもの。ビン・ラディン暗殺でその流れを止めることはできない。
 3.11。津波と原発事故で、東北の人と自然は深く傷ついたまま。生命を継いで創り始めよう。これまでとは違う東北を!(M)
2011年06月07日更新
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情報という言葉
 いま「情報」という言葉には、ほとんど絶対的な響きがある。確かに「情報」は重要だ。しかし、どんな非常時においても、「情報」そのものは中立で、それが隠れているか明らかになっているかだけが問題なのではない。
 私たちは、たとえ原発に関しては素人でも、自らが重要だと考える事柄に関わる情報を電力会社に求める。何が重要なのかについての優先順位を、私たちと電力会社が共有していれば、私たちと会社との間に今のような不信は生じない。私たちが重要だと思うことと、電力会社が重要だと思うことは、異なっている。私たちとは異なる何事かを優先している者たちが、知りうる情報の量において絶対的に優位な立場にある。これはもはや、異なる階級間の政治だ。
 資本主義という文脈では、「持てるもの」たる資本家に対して、「持たざるもの」は労働者という集合性を自己認識し、そのような集合性によって政治的行動を組織しうる。東電はその意味での大資本であるのに加えて、「情報」を「持てるもの」でもある。資本との闘いにおいて「金をよこせ」ということだけが問題ではないのと同様、情報を持ち、それを提供するものと、情報を持たず、もっぱら受け取るものの分割を前提にしたうえで、「情報をよこせ」という以上の何かが必要だ。(O)
2011年06月06日更新
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日本的共同体意識
 東日本大震災は、人智がおよばない猛威をふるって、多くの人々の命を奪った。東北で被災された人々に思いを寄せながら、神戸の苦しかった頃を思い起こす日々である。
 しかしまだ、地震、津波に加え、原発事故が加わり、現在進行形で被害が広がっている。原発に頼らないエネルギー政策を選択すれば避けられた事故である。その意味で、これは人災である。
 被災者受入れが可能な家屋を見に行った。限界集落で有機農業を営む人が、とりあえず1家族は受け入れ可能だという。このような準備が無駄になればいいのだが、原発の周辺からすでに多くの人々が関西に避難してきている現状を、無視はできない。
 神戸の実家に小さい子供をつれて帰ってきた人がいる。自分だけ逃げだしたという負い目があるという。被災者が仮設住宅に入るとき、抽選という愚策を犯した神戸の反省があり、今度は村あげての入居だという。
 公的な支援以外にできる民間の支援は、被災地の人口圧を減らすことだ。親族、友人、会社、社会運動体などをとおして、被災地から外へ社会的弱者を出すことが大切だ。すでに避難所で死者がでている。赤ちゃんが、不衛生な中で放置されている。診療がいきとどかないエリアから人々を遠ざけることが、大切な支援だ。圏外に出た人が負い目を感じるという、日本的共同体意識は良い面ばかりではない、と改めて思った。(I)
2011年06月05日更新
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統一地方選
 一連の統一地方選挙が終わった。3.11東日本大震災と原発事故の影響がどう出るか、注目していたが、予想以上に民主党の退潮が目立った。
 東京都知事選では、石原が「天罰」発言をしたことの影響がどう出るか興味があった。結果は43.4%の得票率で、石原の圧勝だった。テレビの出口調査で、年代別の支持率が出ていた。60代・70代は圧倒的に石原支持が多かったが、若い世代ほど石原支持率が下がり、20代では東国原や渡邉の支持率の方が高かった。大阪の新聞では、東京の詳しい情報があまり出ないのだが、25日の東京世田谷区長選での保坂展人の勝利は、朝日・毎日が大きく報道していた。世田谷では自民系が2人、民主・共産も候補を立てている中、保坂が「反原発」の力で当選したように書かれていた。石原の圧勝ぶりに、若者や草の根左翼が頑張ったのかもしれない。
 大阪では、「維新」(名称からして右翼的だが、中味は自民党若手の老人支配への反乱勢力と私は思っている)が大躍進し、民主が大後退した。共産も後退。残念なことだが、維新はこれから難しいところ。先の民主党と一緒で、議員になりたい野心家の集まりだから、必ずボロが出てくる。
 民主の中の、靖国参拝グループや原発推進グループが脱けても、選挙に勝てるようにならないと、本当の意味での「脱原発」は難しいだろう、と感じた。(A)
2011年06月04日更新
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