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編集一言2011年02月ログ

スパムメール
 なぜ日本の地下鉄ではオヤジが靴下を売りに来ないのか。なぜ日本の都市の路上ではリモコンを百個ぐらい並べた怪しい露店商がいないのか。もちろんそれは奥ゆかしき日本の文化などではない。国家の治安維持に抵抗する民衆の力が弱いだけだ。モノを乞う人々、拾う人々、売る人々があちこちに出没するような都市の混沌や雑音は日本ではもはや絶滅寸前。
 都市の中の雑音や汚物といえば、家や職場で大量の「スパム(迷惑)メール」に遭遇している人も多いだろう。ここにそれらのメールのタイトルを列挙してしまえば編集部に苦情が殺到すること必至の、それらの卑猥卑俗な言葉たちは、ほとんどその本来の目的を達することはなく、圧倒的多数の人にとって単に迷惑な雑音であり汚物である。
 個人的な価値観に適合しないものとの出会いが排除される世界において、スパムメールは巨大な異物勢力だ。それらは国家権力とせめぎあってもいる。楽して人を騙して金を儲けようとする輩なんて、どんな時代のどんな社会にもいる。
 失われた時代を嘆いても始まらない。スパムメールの背後に存在する悪意を恨み、それを排除する政府の規制に期待するだけではつまらない。実はスパムメールのタイトルに一瞬心を動かされたことがあるあなたに、謹賀、汚物、新年、雑音。(O)
2011年02月02日更新
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右翼ナショナリズムに対する、『つながり』のある社会
 右翼的ナショナリズム的軍国主義的な言動が一部に活発化しているが、そのことを刑罰論との関係でみるならば、その発想は、非難と刑罰(苦痛)の執行によって法を守る応報刑論に近い。すなわち、犯罪によって正義が否定されたので、正当な応報を与えて社会が正義を回復すべきだ、加害者は道徳的負債を持っているので、罰を受けることで負債を返済する義務がある、と考えるのだ。暴力肯定だからとにかく駄目という考えもあろうが、実は右翼的な立場にはそれなりの根拠があるという話である。
 しかし、犯罪を人間関係のつながりへの侵害とみなして、その修復・回復を模索することこそ重要ではないか、という修復的正義の考え方がでてきている。そこでは、本当に被害者が癒されるためには、加害者が被害者の苦しみに耳をすまし、心から反省し、謝罪するのを被害者に示すこと、被害者の苦しみに付き合い続けることが必要と考えられている。加害者に痛みを与えるだけでは、本当の社会全体の被害の回復や深い解決にならない、とみるのである。
 ここには、私たちのあるべき社会が『つながり』のある社会であるという崇高な感覚がある。これがわからない人には、やるかやられるかという世界しか見えないのである。左翼などが右翼的な思想に対抗するためには、この修復的正義の理論を組み込むことが必要なのではないか。(H)
2011年02月01日更新
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