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編集一言2010年10月ログ

「民主党憎し」に要注意
 ネバダ核実験場閉鎖運動など多彩に行動する作家、レベッカ・ソルニットは、2003年に『希望に基づく行動』というエッセイで、「世界は悪くなっている。良くもなっている。そして未来は暗いままだ」といっていたが、いまの日本社会もまったく同じだ。政権交代で自民党政権時代より改善された点もあるし、停滞したままの点もある。高校無償化はよかったが、朝鮮学校排除はひどかった。しかし結局、朝鮮学校も補助対象となった。
 「民主党憎し」のあまり、みんなの党など新自由主義勢力や右翼の復権に結果的につながることをいうのは、木を見て森を見ない論だろう。
 レベッカは「絶望こそが希望を見出す力になる」として、「ものごとの両面を見ろ」という。希望は単純なものではなく、短期に手に入るものでもないが、リアルに希望を見出すような営みこそが重要だという。誰も自分たちの行動の結果は分からないし、歴史は、ビックリするようななりゆきで世界を変えることになった小さな行為で満ちている。花々は暗闇で育つ。レベッカは、「森を、草原を、トウモロコシが育つ夜の闇を、私は信じる」と言ったソローの言葉で小文を締めくくっている。
 今まで一読者であった私が、「ぷりずむ」の担当を新しく担わせていただくことになった。世界を変えていく小さな行為に目を向けていきたい。(I)
2010年10月25日更新
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戦後とはなにか?
 戦後65年、この夏さまざまな戦後特集が組まれた。戦争体験の語り部が少なくなっていく。「二度と戦争を繰り返さない」という歴史の継承は、語り部だけに頼ることは、もはや難しい。戦後65年総体を対象化する仕事が必要だ。
 この65年間、毎年、世界のどこかに戦死者がいるという「戦後」とは何か? これらの戦死は、近代という仕組みがグローバルな価値として強要されていく過程での戦死である。その屍の上に、ようやく「近代文明こそ人間を幸せにする」というパラダイムは、ほころびを見せ始めている。
 「戦後」という言葉と出会ったのは、経済白書である。近代化を高度経済成長によって推し進めるという宣言―「もはや戦後でない」という言説があった。それに対抗するかのように、「戦後」民主主義という価値=平和を守る流れに様々な「戦後」の言説があった。
 近代総体をどう超えるか。「農村共同体が天皇制の基礎をなし、侵略戦争を遂行しえた」という考えは、戦後、共同体を解体し、孤立した近代的諸個人を生み出した。しかし、その近代文明こそ戦争の元凶となっている。
 近代を超える新たな関係を切り結ぶことによって、新たな共同体を形成できるのか。お盆に墓参りをした。大文字の送り火、精霊流し、各地で鎮魂の儀式が繰り返される。「戦後」の課題はいまだ解けていない。(I)
2010年10月01日更新
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