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編集一言2010年01月ログ

崩壊を続ける労働現場と地域
 初孫の成長をみながら1年が暮れた。昨年の今頃はお腹の中にいた命が、意志を持って生きていることに宇宙を感じる。この不思議さが、死ぬことは生きることと同じだと教えてくれる。
 地球規模でみると、彼が大人になっていくにつれ、人口63億人が90億人となり、農地と水が不足し、反収量が下降線をたどり、食料パニックが起きることは間違いない。生命系の輪廻に沿って食べ物を確保せよと、教えておきたいと思う。
 普通の労働者になろう、そして生き抜く拠点を<地域>だと定めてもう40年が暮れた。しかしこの間、市場経済は拡大を続け、拠点であるはずの労働現場と地域は、依然として崩壊局面である。光る個性は各地に存在するが、全体としてみれば内発的な関係性を対置できずにいる。
 時代の歯車が後戻りできない力で、人びとを破滅へと押し出していくのを感じている。食い止める道は、“地域を支える食と農と環境の世界”を描き続ける現場の意志と、この中で人びとの雇用を生み出す国家の戦略であろう。
 現場と国家を結びつける方法論はまだ見えないが、近代の還元主義を超える自然観・生命観が問われるのであろう。大きな転換点の中で、確かな見通しを作り出したい。(I)
2010年01月25日更新
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小異を捨てて大同につく?
 しばしば政治や社会運動の世界では「小異を捨てて大同につく」という言葉が口にされる。政権交代劇に浮き足立っている永田町の政治などにはその論理しかないようにすら思える。
 「小異」というのは、せいぜい個人と個人、あるいは集団と集団との意見や利害の違いだ。しかし1人の人間ですら無数の「小異」からなる宇宙であるということを簡単に切り捨てられる感性で、資本主義や国家による排除や暴力を批判できるだろうか。たとえば、労働力を資本に売る「労働者」とならなければ生きてゆけない大勢の人がいる。人は労働者「である」のではなく、労働者に「なる」。その「なる」瞬間に切り捨てられる無数の小異がある。その切り捨てられる感覚を忘却した人間が「労働者」その他集団について語り、しかも「小異を捨てよう」などと説くのにはついてゆけない、いきたくない。
 何者として語るかはその人の政治だろう。しかし「何者」かとして名乗り、政治的に行為するということは、無数の小異の宇宙から集団としての顔を出現させるという困難で暴力的な過程であり、その暴力性を忘れた「政治」は支配や統治にどんどんすり寄って行くだろう。
 「人間」の名の下に繰り返される排除や搾取や暴力を根底的に批判するためにこそ、徹底的に「小異」を見つめる感性を捨ててはならないと思う。(O)
2010年01月21日更新
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普天間移転問題と鳩山新政権の本性
 普天間移転問題の決着を来年に先延ばした鳩山首相の決断を、メディアは「日米安保の迷走」と批判する。しかしこれは鳩山にとっては本音の新安保戦略であることが次第に見えてきた。実力者の小沢も中国・習国家副主席の天皇特例会見を批判した羽毛田宮内長官を恫喝するなど、次第に強引な本性が露骨になってきた。
 最近、「明治維新」の歴史を勉強しているが、現情勢の緊迫化は、明治新政府の「政権交代」とよく似ている。「百年に一度の危機」というが、そっくりそのままだ。違うところは、権力闘争の手段としての内戦や脱藩浪士の殺し合いがないだけのことだ。
 鳩山政権の新安保戦略とは、「駐留なき安保」といえるだろう。しかしこれは、沖縄返還時の密約条項だった「偽装」非核三原則の今日版となるだろう。つまり「駐留なき安保」を謳いながら、核搭載米第七艦隊の日本列島寄港が常態化するという危ない落とし穴が待っているのだ。
 これは幕末の西欧列強の黒船来襲と同じだ。長崎と横浜港の鎖国貿易を独占した徳川幕府を暴力革命で転覆した薩長同盟の明治新政権は、「攘夷」を掲げたにもかかわらず、門司、鹿児島、兵庫、函館港を貿易開放したのである。この「偽装」こそが新政権の本性だ。維新政府は、インフレ蔓延に決起した百姓一揆と草の根民権運動を弾圧し、多大な人民が犠牲となった。この歴史の反省こそ今に生かすべきだ。(F)
2010年01月19日更新
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民主党政権と資本主義
 民主党政権ができて、守旧派の攻撃の典型は「成長戦略がない」という点。「成長など重要なことではない」とは民主党も言わないから、報道を追っていても、見えないところが多い。異なる政治手法をとる、という点だけは目立っているが、新たな社会の土台作りに精力を注いでいる気配はまったく感じられない。そんなことを期待する方がお門違いなのだろうが。
 「外的な障壁に遭遇しなければシダは地球全体を覆ってしまう。生える場所がなくなったとき再生産は止む」─これは資本主義の仕組みを表わす有名な言葉。金融破綻以降、支配層の「危機感」「苛立ち」は民主党政権になって、尚更のようである。恐慌を繰り返しながら「拡大再生産」を続けてきた仕組みも、そろそろ限界が見えつつあるのではないか? 人々はそう思いつつ行動し、頓挫してきた歴史を目の当たりにするわけだが…。
 「新興国の成長」「中国市場の拡大」などというところに食指を伸ばしていくのだろうが、それも10年、20年先には、上手くいったとしても、行き着くところまで行って行き詰るのだ。その後は??と考えると、「くたばれ資本主義!」を願う勢力には、これまでの延長とは違う、質的な飛躍が求められる時代になってくる。そんな予感を覚える。他人事みたいに気楽なことを言うな!と叱られそうではあるが…。そんな時代認識でこれからを生きていこう、ということですので、誤解なきよう。(S)
2010年01月06日更新
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