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編集一言2008年03月ログ

あやしげな「環境への危機」
 環境への危機が叫ばれている。しかし、何かおかしいといつも思う。
 自らの生活スタイルを変える気など毛頭ないような輩が、「大変だ」と大声で危機を訴える様をみていると、「インチキに騙されないようにしよう」といつも言いたくなる。環境に優しいなどというフレーズが踊る環境ビジネスもうさんくさい限りだ。
 「資本主義の仕組みそのものが作り出した世界が環境破壊を招いている」と確信する者としては、根っこの問題に触れない議論など意味があるとは思えない。循環の仕組みがなければ持続可能な社会など築けるはずがない。発展とか進歩というイデオロギーが支配的な社会とは根底から対立するものだ。「拡大再生産」と「循環」は決して妥協できない考え方。現体制の擁護者は深刻な振りをするだけで、何もしないし、何もできないのは明らかだ。ビル・ゲイツが、今年のダボス会議で時代の危機を克服していく次の社会を構想していく運動として、「創造的資本主義」を掲げたそうだ。意味不明だが、眼くらましのフレーズを、さも何かあるかのごとく語る体制擁護の広報マンの役割を果たそうとしているのだろう。
 環境問題をCO2の問題に還元してしまうのも「?」である。科学的知識など門外漢ではあるが、原発はCO2を出さないから、クリーンなエネルギーだ、なんてバカなことを恥ずかしげもなく言う!ようなレベルの環境問題など糞食らえである。(S)
2008年03月16日更新
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民族にアイデンティティーを見出すか、それとも階級にか
 「コソボ」が独立宣言を出した。ロシアや国内に独立問題を抱える国は、認めないという。「コソボ」が存してきた旧「ユーゴスラビア」は「多民族共生」と「労働者自主管理」をスローガンに、ソ連や中国と違う社会主義を主張していた。
 ソ連が崩壊し、中国が大変転するなかで、ユーゴスラビアは民族主義に振り回されてきた。亡きチトー大統領が行っていた「労働者自主管理」と「多民族共生」は何だったのだろうか?言葉の上ではきれいな正しいスローガンと評価してきた私も、何か肌に合わないものを感じ、詳しくは勉強してこなかった。「言葉」のきれいさや正しさにだまされやすい私は、カンボジアのポルポトにもだまされた。幹部の清廉さやスローガンの正しさを評価した私は、大虐殺をなかなか認められなかった。
 今またユーゴスラビアの崩壊と民族対立のすさまじさをみるとカンボジアの時と同じ構造を感じる。自分のアイデンティティーやプライドを階級=労働者に見出せない人は、民族に誇りを求める。下層階級出身でありながら右翼に参加する人々は多い。被抑圧民族が民族をバネに運動に参加する有意義性とその危険性を考えると、「多民族共生」の難しさは「階級性でしか乗り越えられない」と私は思う。チトーの「労働者自主管理」は労働者階級の誇りを生み出さなかったのだろうか?(A)
2008年03月08日更新
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労働契約法が施行
 3月1日から労働契約法が施行される。いまなぜ、労働契約法の制定なのか。法律の目的(1条)には「労働者及び使用者の自主的な交渉のもとで」「合意の原則」「合理的な労働条件の決定又は変更が円滑に」「個別の労働関係の安定」など、やたらと「合意」「合理的」「安定」とかの文言があるが、これはあきらかに「偽装」だ。
 要は民法の個人契約なのだが、一方で賃金・労働条件の最低基準を定めた最低賃金法や労働基準法があり、労働者を雇用する使用者は、これら労基法や最賃法に抵触しない就業規則を制定し提示義務が課せられている。なぜ労働契約法が今必要なのか。
 どうやら狙いは労働契約法を労働法制から外すことにあったようだ。一応、労働契約法の労働基準は、労基法に準じた就業規則や、労使交渉で定めた労働協約に抵触しないことを建前としている(12条)。しかし、労働契約法を民法体系に移すことで、使用者の違法や違約行為の審査(労働委員会)、監督指導(労基署)の関与を外し、民事裁判に委ねるということだ。
 個人契約者である派遣・パートの非正規労働者にとって、時間的にも費用的にも民事裁判への提訴は事実上不可能である。これは労基法の「民営化」、究極的な労働法制の「規制緩和」の実態なのである。(F)
2008年03月06日更新
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変人扱いされていた有機農業推進者
 有機農業を訴えてきた人々の多くは、それぞれの場所で変人扱いを受けてきた。しかし、使命感を持ち続け、食べ物を生産し、流通させ、買い支えてきた。とくに村では、その孤立感は深く、国や県から相手にせずという暗黙の圧力、あるいは公然とした批判に耐えてきた。
 有機農業推進法が成立して一年が経ち、その人たちを取り巻く状況は大きく変化した。この一年、何が変わったか?と尋ねて歩いている。有機稲作10ヘクタールに取り組んできた40歳になる専業農家は「県庁の人の言葉遣いが丁寧になった。それが一番、嬉しかった」と語った。彼は、親父が農薬中毒で苦しむ様をみて育った。だから自分は農薬を使わないで農業をしようと決心をした。
 それから20年、ようやく国も県もその推進が義務づけられた。しかし予算配分など期待していない。自分の経営哲学を持って消費者ときちんと付き合ってきた。いまさら役人に構われたくない、という。
 もっともなことだ。これから高付加価値農業などと勘違いをして有機農業に参入してくる人たちは確実に増えるだろうが、それを消費者が支持してくれるはずもない。何故、自給率が40%を割ったのか。消費者が自国の農業に共感していないからだ。この反省に立って、顔の見える関係を流通の中に作り上げ、生活者の共同作業として有機農業を広めていきたい。 (I)
2008年03月01日更新
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