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編集一言2005年10月ログ

時間を守るというのは、機械になるということ
 最近、「時間」について考えることが多い。先日、友人のYさんが40才で死んだ。「急性心筋梗塞」だった。死ぬ3日前には一緒に酒を飲んだ。ちょっと仕事が忙しくて疲れていると言ってはいたが、まさかという感じだった。
 ミハエル・エンデの小説「モモ」の中に時間泥棒がでてくる。「時間を守れ!」「無駄に使うな!」「急げ!急げ」といって、人びとを労働にかりたてる。時間に正確なこと、速いことが資本主義の命だということを最近になって知った。時間におおらかな民族や社会では資本主義は発達しないのだそうだ。第三世界と呼ばれた国は時間管理がおおらかだ。
 時間にうるさい国は資本主義が発達するが、いつも時間に追われている。JR福知山線の事故は「1分30秒の遅れ」をとりもどすためだったと言われている。
 時間を守るというのは、機械になるということだ。人間の関係性を大切にする人は、「時間だから」といって話を打ち切ることができない。
 感情は時間通りにはコントールできない。Yさんは自営業で、忙しい時は分きざみで仕事をしていた。家庭も犠牲にして。1年前、その家庭から拒否され、自分を変えようと「奮闘中(?)」だった。
 ぼーっとする時間をもたないと、「体の叫び」は聞こえない。過労死は個人の問題ではないと痛感した。(A)
2005年10月28日更新
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重装化する警察・警備会社、「公務執行妨害」を理由に「使うことを前提とした武装」/田中大也
九月二六日付の読売新聞の記事によると、来年度を期に、警察の装備品が一新され、警棒は太さが二倍になった二段式伸縮警棒に、これまで木製だった警杖は金属製の伸縮式のものに変わることになったそうだ。強化された警杖の先には、車両のガラスを破壊するための粉砕器を取り付けるのだという。
 記事内では、「刃物を突きつけてくるような凶悪犯の増加」への対応(つまりは使うことを広言している)と、「一〇年前と比較して公務執行妨害の数が三倍近くに増えた」ことをその理由としている。
 しかしながら、記事の中でも刃物を突きつけてくるような犯人が増えているかどうかは「全容は不明(警視庁コメント)」とされており、本当に警察官が危険に晒されているかどうかは定かではない。(一ヵ月以上の重傷を負った警察官の数も一昨年は七五人、昨年は六一人と減少傾向にある)、それどころか、公務執行妨害という罪名が八・一五の靖国での襲撃をはじめとして、数え切れないほどの弾圧を「演出」してきたことから考えると、一〇年前に比べて警察が強権を使って弾圧を行ってきた証左である、と見ることもできる。
 また、警備会社も武装を強化してきている。平成一五年に警備業法が改正された結果、条件付きながら、警杖(警備業界用語では「警戒杖」と称する)や非金属製の盾の使用ができるようになった。「非金属製の盾」というと、かつて機動隊が装備していた木製の盾を思い浮かべてしまいがちだが、実際は、日韓共催のワールドカップを境にして配備されるようになったポリカーボネイト(プラスティックの軽さと鉄並みの防弾性を持つ最新鋭素材)製の盾を指している。今後、学寮闘争やホームレス排除の際に、「機動隊」化した警備会社の隊列が出現するようになるのも、そう遠いことではないのかも知れない。
 「公務執行妨害」の増加、本来であれば、警察が超法規組織化したと見られてもおかしくないような事態であるのだが、そのデータを巧みに利用し、警察や警備会社が武装の強化を推し進めている現状は、抑圧される立場にある私たち民衆にとっては、極めて危機的であると言わなければならない。実体のない「安心」に惑わされることなく、根拠なき治安組織の重装化に反対していけるかどうかに、これからの生活がかかっている。
2005年10月24日更新
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カトリーナ被害を煽りまくったマスコミ
 新聞の片隅に「カトリーナ被害、九六四人大きく超えず 『死者一万人』独り歩き」の記事。「略奪」も含めて煽るだけ煽って、あとは例によって知らぬふりを決め込んだのは誰だ!
 それはさておくとしても、情報の混乱と実態把握の遅れもまた人種差別の結果ではないのか。カトリーナは「自由と民主主義の盟主」を気取るブッシュの足元の現実を否応なく世界中に暴露してしまった。
 京都議定書を拒否するアメリカを襲うハリケーンが大型化の傾向というのも、まさに「因果応報」。イラクの泥沼化も相まって、ブッシュも末期的症状の体。一層の、徹底した暴露・追及を!(つ)
2005年10月22日更新
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小泉流の思考停止問答はファシズムの兆候か?
 9・11「小泉郵政選挙」の結果に、何よりも改憲阻止の歯止めがなくなったショックで言葉を失った。それでも負け惜しみの心の片隅に揺り戻しを期待する気持ちが少し残っていた。戦後60年はこの程度の反動で帳消しにされてなるものか。たとえ戦争を知らない世代が70%になったとしても、歴史とはそんなに軽いものではないはずだ。
 数日前の夕方だった。満員電車の中で「小泉首層の靖国参拝 違憲」という夕刊の見出しを見た。大阪高裁の判決だった。次の駅に降りて夕刊を買った。まだ日本の司法は頑張っているのか。そして数日が過ぎた今朝(10月5日)「毎日」の朝刊1面に「9条改正に『反対』62%」と世論調査結果が出た。やはり揺り戻しはあった。
 まだ諦めるのは早いということか。それにしても改憲賛成は58%とある。これはどういうことか。世論は揺れ動いているということか。こんなときに、○か×か、白か黒か、賛成か反対か、小泉流の思考停止問答は人気を呼ぶのか。世論は9条改正は反対、改憲は賛成という。これでは危ないというしかない。これをファシズムの兆候というのだろうか。
 今、注目すべきは韓国の労働運動である。労働者のスローガンは「社会勢力化」から「政治勢力化」へ。闘う民主労働党は2012年に政権獲得を目指すという。東アジアは激動の時代を迎えようとしている。(F)
2005年10月20日更新
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日本農業の存続を左右する環境直接支払い
 これまで有機農業の法律は、表示を規制する「有機JAS法」しかなく、この5年間の実績は国内有機0.16%、輸入有機はその6倍の認定という結果である。自給率向上に向けて、有機農業・環境創造型農業は大きな政策の柱である。
 その実現に向け有機農業を奨励・推進する法律が必要となっている。昨年、有機農業議員連盟が発足し、議員立法として来年の通常国会に上程する動きが始まっている。また、有機農業学会でも、有機農業推進法試案を8月に提案した。
 この試案は「わがままな」消費者と「効率的な」農業生産者という分断された関係の存在を認め、それを改善する総合的な政策提言をめざしている。有機農業にとって、農場内や地域の自然循環、生物多様性の促進が重要であり、生産者と消費者の交流・提携こそが振興のカギである。
 こうした自然資源と社会関係の回復・増進をめざし、自然づくり人づくりの理念を明確にし、化学肥料・農薬の削減やビオトープに対する直接支払いなどの数値目標を具体策に盛り込む。理念法と政策実践法を併せ持つ画期的な試案となっている。
 今後、農政は直接支払い制度が前提となり、日本農業の存続を左右する環境直接支払いが軸となるだろう。有機農業を核として農業全体を環境創造型に転換する。小異を捨てた広範な「農業存続運動」が求められている。(I)
2005年10月15日更新
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6ヵ国協議 米中韓の軍事的対立の狭間に立つ北朝鮮
 九月一六日、北京で日米中韓北露の六ヵ国協議が行われました。議題は言うまでもなく、北朝鮮の非核化です。
 これまで、北朝鮮はパキスタンから輸入した軽水炉を稼動させましたが、核拡散防止機構(NPT)の査察を拒否。今年一月、中国沿岸で核精製のための溶媒、六弗化(ろくふっか)ウランを積んだ北朝鮮の貨物船を停船させ、溶媒没収という強行手段に出て、中国は北朝鮮の非核化に本腰を入れて取り組み出します。
 これは、国際社会に強い印象を与えました。
 今年一月、中国の山東半島で、中露両国が戦車・航空機を動員した大規模な軍事演習を行います。これは日本のテレビでも放映されたので、見た人も多いと思いますが、本格的な地上戦を想定した演習でした。
 米国も日本海に軍艦を派遣していますから、注視していたに違いありません。この演習の目的は、明らかに北朝鮮に軍事的な脅しをかけている米国に対する中露両国の牽制です。
 このような軍事的な緊張の中で開かれたのが、今回の六ヵ国協議でした。
 日本のテレビは全てノーテンキ≠ナ、軽水炉だけが焦点であるかのように報道されていましたが、これは、全くの誤報です。
 キム・ジョンイルにすれば、米国が独裁体制の存続さえ保証してくれれば、後はなんでもする、というのが本音です。
 韓国の若い人たちの本音は、圧倒的に「北支持」です。「北も我々と同じ同胞だ。北を外国の干渉から守れ」。
 北朝鮮はこれを良く知っており、六者協議の場でも孤立しない、と自信を持って臨んでいます。
 日本は、この国を東アジア共同体に迎え入れるには何が必要なのか、周辺国の動向に目を凝らして、考えていかなければなりません。
 北ヘの軽水炉提供問題がマスコミで議論されていましたが、核濃縮には巨大な電力が必要です。北にはこれを可能にする河川がありません。
 おとぎ話を真面目に議論するのは自由ですが、滑稽の限りです。
 北朝鮮へ重油を供給しているのは、中露二国です。ブッシュが外交で得点を稼ぎたいなら、小泉に頼るよりも、中露と正面から向き合うべきです。(渡辺)
2005年10月07日更新
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小泉圧勝は何の第一歩なのか
 ヒトラー最後の秘書、ユンゲの証言を基にした映画「ヒトラー〜最後の12日間〜」はナチスの現実と戦争の悲惨さを圧倒的迫力で描いて秀逸だ。主演・ブルーノ・ガーツ扮するヒトラーに観客は打ちのめされる。
 この映画の最後に、現代に生きるユンゲがこう語っている。「私は、若くて何も知らなかった自分には何の責任もなかったと考えていました。けれど、収容所で命を落とした同世代の女性の手記を読んで、そんな自分の考えを改めざるを得なかったのです。若くても必死に知ろうとすればできたのです。考え、学ぼうとすればできたと思い至りました。そうしなかった自分にも責任は間違いなくあったのです」。
 郵政民営化を最大の争点に仕組んだ小泉の総選挙戦術は、見事に無党派層の関心をつかんで、11日投票の総選挙は自民党の圧勝に終わった。自・公で衆議院の3分の2の議席を制するという歴史的勝利だった。そして、その勝利の最大の功労者が、これまであまり投票に行かなかった若い無党派層の掘り起こしに成功した小泉であったことは間違いのないところのようだ。
 単純で明快で、容赦のない敵対者への攻撃が、政治を観客席から見ることしか知らない若者の気分を動かしたと言えるのだろう。日常生活の中で、自分たちはそうした対応を取りたくても、抑制せざるを得ない彼らの不満やうっ屈が、小泉への支持として、投票行動までに彼らを突き動かせたのだ。
 それは、やはり第一歩なのだと思う。そして、そんな彼らの選択がどんな政治を日本に登場させる結果を生み出すのか。その責任を、やがて彼らも考え始めるに違いない。
 危機感を煽るのではなく、そんな彼らに届く私たちの言葉を!(M)
2005年10月05日更新
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「郵政民営化」論争の陰で 「癒しの過疎地」を忘れていませんか
 九月一一日の総選挙は、小泉自民党の圧勝で終わった。衆議院の過半数は二四〇だが、自民・公明で三二七、民主党は一七七から一一三に議席を減らした。
 小泉首相は今回の総選挙の争点を「郵政民営化」一本に絞り、二者択一で、有権者には非常に分かりやすかった。しかし、説明不足であったことも事実。
 それを補ったのが、「刺客」という「くのいち」忍法。これは邪道だが、選挙はあくまで結果責任。おかげで、輿論の「おとがめ」もなかった。
 今回の総選挙の主要テーマである「郵政民営化」について、私が気になっていることがある。それは、民営化されれば、過疎地の郵便配達が遅れることが確実であるにもかかわらず、それに関して、候補者の誰からも言及がないことだ。
 都会に暮らす人々は、過疎地で暮らす人々の存在を、忘れてしまったのだろうか。これが「小泉改革」の真実であり、これに洗脳されてしまった日本人は、私にとって大変寂しい。
 都会で暮らす人々も「癒し」を求めて、過疎地を訪れる人たちが増えているが、そこで自分は癒しを求めても、そこに住む人たちへの想像力までは、及ばない。郵便局が民営化されれば、過疎地に郵便局がなくなってしまう、というのに。
 日本人の誰もが「日本に住んでいて良かった」、と実感できる「国作り」をするのが、政治の務めではなかったか。小泉は都会に住む有権者への気配りはあったとしても、過疎地に住む人達へのそれはない。
 小泉自民党圧勝の陰で、過疎地の荒廃が進んでいく。日本をこんな国にしてはならない。
 世界に自慢できる「美しい山村」を持つ日本。私はこれを何時までも大切にしていきたい。(渡辺)
2005年10月03日更新
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ボナパる小泉
 みなさま、ご機嫌麗しく……なわけないですね。小泉の圧勝でした。金融ブルジョアジーからフリーターまで、利害の異なる広汎な層の上にボナパることに成功してしまいました。これこそボナパルティズムだ、と思ってマルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』を読み返しています。
 歴史は二度繰り返す、という有名な書き出しで始まりますが、三度も四度も反復するのですねえ。ボナパルトの第二帝政の後も、ワイマール体制下の民主主義からヒットラーが登場し、天皇制ファシズムも普通選挙法のあとに成立したのでした。
 今回も議会制(代議制)への態度のとり方を問われる選挙結果だったと思います。マルクスは先の言葉に続けて「ただし二度目は茶番として」と続けていますが、広告屋によって徹頭徹尾演出されまくった茶番劇を、真面目に受け取る若い人が多いのにもウンザリしました。「クソ」だの「ゴミ」だのボナパルトへの罵詈雑言集のような本書を読んで、権力への悪態のつき方を学んでほしいものです。(T・S)
2005年10月01日更新
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