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編集一言2005年03月ログ

ビラまきで逮捕?!
 反戦・平和・労働運動への弾圧が止まらない。三月四日に都立野津田高校前でビラ撒きしていた男性二名が不当逮捕され、八日には農産高校でビラ撒きをしていた人が一名逮捕された。
 九日には、一月一三日の関西地区生コン支部弾圧に続いて、新たに二名の執行委員が再び逮捕された。
 当たり前のことが当たり前のこととして通用しない腹立たしさやら悔しさで、暗〜い気分になる。
 しかし裏を返せば、それだけ国家権力の側も、これまでのやり方では立ちゆかなくなっていることの証だ。(Q)
2005年03月30日更新
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現実に合わせて「希望」を切り縮めるな! 喜多幡佳秀(55)
九八年の転換とグローバリズム

 八〇年代初めぐらいから世の中が変になってきていることを感じていたが、この数年は一段と異様になってきている。大田昌国さんが「崩壊感覚」と表現しているが(本紙の一月一五日号)、本当にその通りだと思う。
 「この数年」と言ったが、どうもそれは一九九七年、あるいは九八年を境にしているらしい。山田昌弘氏は自殺者数の増大や、家族・労働・教育をめぐる各種のデータから、一九九八年を起点に、さまざまな数字が望ましくない方向へ転換していると指摘している(『パラサイト社会のゆくえ』ちくま新書)。山家悠紀夫氏は、賃金統計や生活実感の統計から、一九九七・九八年を境に構造変化が起こっていると指摘している(『景気とは何だろうか』岩波新書」)。
 考えて見れば、バブルの崩壊から始まって、「政治改革」、規制緩和、グローバリゼーション…わけのわからないうちに、政治は自民・民主の二大政党制へと再編され、人々はリストラと失業に翻弄され、社会の階級分化が進んだ。それでも多数の人々が高度経済成長時代の蓄えで食いつなぎ、景気回復に希望を託していた時期が、九七年ないし九八年頃に終焉したのだろう。
 実際には、景気はすでに回復している。大企業の収益は空前のレベルに達している。しかし、この収益を社会的に再分配するシステム、つまり労働運動や社会福祉制度が解体されてきたため、大多数の人々は景気回復の恩恵と無縁である。

ラディカルな変革を貫く先に希望が

 この現実から強引に希望を導き出すとすれば、次のことである。
 この現状は、一九八〇年代以来の新自由主義的グローバリゼーションの明らかな帰結であり、まさに全世界で共通に起こっている事態である。新自由主義的グローバリゼーションとは、全世界のすべての人間の活動を市場経済に統合し、あるいは排除するというプロセスである。日本で「構造改革」の名の下に進められているのはまさにこのプロセスである。
 一方、排除される側の反乱が、今ではWTO(世界貿易機構)や世界の経済エリートたちの集まりであるダボス会議(世界経済フォーラム)と真っ向から対峙するまでに発展している。世界社会フォーラムを軸として、新たなグローバルな民衆の連帯が築かれつつある。メディアが大量に流布する空虚な情報の中で、不可視とされてきた民衆の抵抗が結集軸を持ち、可視化され、条件さえあれば部分的勝利が可能な状況が生まれてきている。日本でも、本来ならそのような抵抗が発展する条件は十分に存在しているはず。それを現実化するために、短絡的方法はない。しかし、現実に合わせて希望を切り縮める必要もない。人々の間の共感をベースとして、「自己責任」ではなく社会的連帯、安易な「参加」や対案ではなく抵抗とラディカルな変革を貫くことから希望は広がってくるのではないか。
2005年03月27日更新
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大阪市職 カラ超勤等問題!市労連はまず『臨職』の労働条件改善を斗え 奥村貴夫(66)(八尾市現業労組書記長 八尾市ホームヘルパー労組特別執行委員)
労・使・議会のなれあいの果て…

 連日マスコミをにぎわしている大阪市のカラ超勤をはじめ、団体生命保険や福利厚生の常識外の厚遇ぶりにはびっくりさせられている。
 とはいえ、カラ超勤は今に始まったことではなく、もう二〇年も三〇年も以前、公務員労働者はその低賃金に反発し、大阪府下でも労働組合が自治労統一行動(当時)として、夏、年末の一時金闘争や賃金確定闘争時、府下の各単組が連夜の徹夜交渉をしているのを尻目に、大阪市労連は早々と「国公なみ」で妥結し、ウラでプラスアルファとして超勤○○時間分で集約というのは、府下の自治体では知らない所はない位の労使なれあいぶりであった。
 歴代市長が助役出身者で、労使共々選挙で市長を応援していたのも衆知の事実だった。
 少なくとも労使は立場が違うのだから、闘争一辺倒というのもどうかと思うが、なれあいではなく一定のケジメと緊張感があって当然である。それを長年表面に出さず、ウラで今回暴露された諸手当や高額の団体生命、互助会等への補助金の上積み等々、府下の各市でもそれなりにはあっても、常識外のひどい有様が今回、表面に出たものである。
 外部の私でも知っているこの事実を黙認し続け、労使と共に中の島共闘といわれていた市議会が今頃「全部ウミを出す」とか「徹底追及を」と言っているのを聞くと、ちゃんちゃらおかしいと言う外ない。

自分だけ良ければいいのか!

 もとより私は、福利厚生を否定するものではない。労働組合にとって、福利厚生も大きな労働条件の一つであることは当然だ。だからこそ世論の総反発と連合からも『忠告』を受けながら市労連が「労働条件は労使の合意で」と反発、徹夜交渉をしている状況を判らぬでもない。でも私がここで一番問題にしたいのは、その諸手当や福利厚生等の優遇はあくまで『正職のみ』であり、低賃金と無権利状態で働いている嘱託・非常勤・アルバイト等々のいわゆる「臨職」には一切適用していないことである。これはなにも、大阪市だけではない。
 私が関わっている府下の八尾市でも、こうした臨職は増え続けている。臨職と言っても短期ばかりではない。二〇年も三〇年も市職員として正職同様、いやそれ以上に働いている人が多数いる。だが、今年二三年も勤めて定年を迎えられた人の年金(これも厚生年金で正職の共済年金から除外されている)は、七万円弱(月)で独居高齢者の生活保護費以外なのだ。
 かつて、公務員は正職という時代もあったのだが、増大する市民要求に対応するため、それも身分をずたずたに分断して(常勤嘱託・労働時間四分の三の非常勤嘱託、それも最近は三年雇って六カ月休ませ、また三年…。アルバイト等々)雇う制度が横行している。
 正職の労働組合は、これらに反発しないばかりか、容認することによって、自治体の財政危機という状況下、自らの労働条件を維持・確保しているのだ。『自分だけ良ければよい』という意識が社会に充満している現在、労組もまた例外ではない。今こそ労働組合は、立場の弱い労働者や市民の要求を自らの課題として受け止め、共に闘う姿勢を持つことが重要である。この大阪市問題をキッカケに労働組合が変わらなければ、労働組合運動の再生はない、と思うのだがどうだろうか。
2005年03月26日更新
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指名停止業者がポンプ場工事を受注(編集部 山田洋一)
「建設業法違反」で府に指名停止受けたヤマイチテクノス

 ヤマイチテクノス鰍ヘ、大阪に本社を置く中堅上下水道プラントメーカーだ。年商三七億円(二〇〇三年三月期決算)・経常利益八三〇〇万円・社員九〇人で、下水道事業団二〇〇三年度処理場設備(水処理・汚泥処理合計)受注実績ランキング二三位の実績を持つ。
 このヤマイチテクノスが、昨年九月二九日に六億三五〇〇万円で落札したのが、泉佐野市北ポンプ場水処理設備工事だ。発注したのは、日本下水道事業団なのだが、同事業団は地方公共団体の首長などにより設立された組織で、終末処理場・ポンプ場などの建設・維持管理の技術的サポートを行う認可法人。早い話が、各自治体が計画・予備設計したものを本設計し、建設発注する財団で、実質的発注者は各地方自治体と考えてよい。実際泉佐野市北ポンプ場の予備設計は、泉佐野市が行っているのである。
 ところが受注者であるヤマイチテクノスは、大阪府から同年九月二日に六ヵ月指名停止処分を受けており、大阪府の指名停止期間中にポンプ場建設を受注していることがわかった。確かに発注者は日本下水道事業団なので、大阪府の指名停止処分とは無関係といえば言える。「違法」とも言えない。しかし、この時期ヤマイチテクノスは、大阪府だけでなく、ほとんどの自治体から「建設業法違反」を理由に指名停止処分を受けており、どうして地方自治体の建設サポートを本旨とする日本下水道事業団が指名停止しなかったのか?また、同工事を受注できたのか?には大きな疑問が残る。

府から天下ったウォーターエンジニアリング社長・中本正明

 大阪府の指名停止期間中にヤマイチテクノスが、府下ポンプ場のプラント建設を受注できたのはなぜか?ここで鍵となるのが、ウォーターエンジニアリング社長・中本正明だ。
 同社は、上下水道設備建設コンサルタントで、泉佐野市北ポンプ場は、実質上同社が設計した。この社長・中本正明氏は、大阪府下水道課長などを歴任した大阪府下水道行政幹部で、社団法人全国上下水道コンサルタント協会・関西支部の理事もつとめる大阪下水道業界の「顔」である。つまり中本氏は、大阪府水道行政からウォーターエンジニアリングに天下り、大阪府の下水道事業を受注して業績を上げているわけだ。
 さらに問題なのは、このウォーターエンジニアリング社は、二〇〇三年ヤマイチテクノスに実質上買収されており、中本正明氏はいわばヤマイチテクノスが送り込んだ社長である点だ。こうしてはじめてヤマイチテクノスが、大阪府から指名停止を受けているにもかかわらず、ポンプ場建設を受注できた理由が見えてくる。
 ヤマイチテクノスは、大阪府に「顔」が効く中本正明氏を使って公共工事を受注するためにウォーターエンジニアリング社を買収し、中本氏を社長に据えた。一方中本氏はご恩返しとしてヤマイチテクノスに公共事業受注の便宜を図っているのだ。
 建設業法違反で指名停止処分中でありながら応札するヤマイチテクノスの企業倫理は、問うべくもなかろうが、指名停止処分を回避し、応札・落札を許す日本下水道事業団はもはや業界に乗っ取られた「業界の出先機関」といって差し支えない。
 かつて本紙で暴露したとおり、高槻市長の息子が高槻市の下水道事業の大半を受注している栗本鉄鋼に就職していたという話もある。下水道事業をめぐる政・官・業癒着は、未だメスを入れられておらず、底知れぬ深みをもっているようだ。
2005年03月23日更新
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成果主義の崩壊
 最近「『成果主義』の崩壊」の本が何冊もベストセラーになっている。『内側から見た富士通』という人事課の元社員の内部告発が面白い。富士通の「企業崩壊」は、「成果主義」賃金制度の失敗から起きている。
 「年功賃金」や「終身雇用」ではグローバリズムに対抗できないと、富士通は鳴り物入りで「成果主義」を導入した。いまや日本企業の70%が「成果主義」賃金制度に追随した。10年も経たずに「崩壊」するとは資本主義の危機も早まってきたのだろうか。
 無能なトップ、暗躍する人事部、渦巻く不満と嫉妬……社内のホームページは内部告発の落書きで埋まっている。中心戦力の若い技術者の流失が止まらない。結論からいえばテーラーの「科学的管理法」を読み違えたのではないか。
 生産性を左右する最大の要因は「人間の感情」というのが結論だった筈だ。IT先端技術の過信が、人間の感情までコントロールできると錯覚したらしい。労働者を競争主義、成果主義に駆り立てることによって、仕事の誇りや、人格や、労働主体まで破壊してしまった。
 労働意欲の減退、品質の低下、納期遅れが、巨大損失となり企業危機を招いた。労働運動とは資本の疎外から労働主体を守り、労働者が団結して自己解放する闘いではなかったのか。集団的労働権の確立なくして労働運動の再生はない。原点に戻る時代が来たのだ。(F)
2005年03月21日更新
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ライブドアvs.産経グループ
 ライブドアと産経グループとのドタバタ劇が面白い。日本ヤクザとアメリカマフィアの仁義なき抗争。どちらの言い分が「正当」かなどは、われわれ庶民には関係のない範疇で、どうでもよい。
 アメリカナイズをひたすら進めてきた社会の申し子と、その攻撃に慌てふためく日本の旧態依然のヤクザな支配層。アメリカナイズされてきた私たちの社会転換の最終局面なのかとも思える。
 いずれにしても、くだらない産経グループなど潰れた方が世の為である。(S)
2005年03月19日更新
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搾取せず搾取されない有機農業 北海道農民管弦楽団代表 牧野時夫(42)
 「戦争を防ぐ最後の砦」としての憲法第九条が、かつてない危機にさらされ、北朝鮮や中国の脅威を騒ぎ立て、ますます軍備を強化しようという策略も巡らされている。また、食料基本法以来、国の政策によって食糧自給率は四割を切り、農薬や食品添加物、さらにO─一五七からBSEまで、食の安全性を脅かす様々な問題によっても、我々の生命が脅かされている。
 一度きりの人生、思い切り自由に生きたいし、子どもたちのため、またすべての生きとし生ける者のために、この世界が少しでもよくなるための働きをして、一生を終えたいものだと思う。自由に生きるためには、何よりも平和と健康が必要だ。
 そのために必要なことは、他人の自由を侵さないことと、すべての生命を尊重することである。つまり、価値観としては、権威(=自由を奪うもの)を否定するアナキズムであり、生命の循環を尊重するエコロジーである。そこから生まれた結論が、有機農業による自給である。
 搾取(依存)せず、搾取されもしない生き方、すべての生命を尊重し、自らも健康に生きる道を追求すれば、解答はそこにしかない。だからこそ、自給的な有機農業を始めたのだし、まだまだ不十分な自給率(食だけでなく、衣・住・エネルギー・教育・医療 etc.)を高めるべく努力し、また運動として広めていこうと、日々もがいている。
 また人間は、単に生態系の歯車なのではなく、「人格」という侵さざるべきものを持っている。だから、自然環境を守るためには、過激な行動もいとわないディープ・エコロジストの主張に、組みするつもりはない。それは全体主義であり、自由とは相容れない。どんな自由でも許されるということはないが、人間を含めて動物は、他の生命を戴いてしか生きることができないことは、正しく理解する必要がある。
 自然の一部である人間は、自然を守り、その自然を創造し支配している原理(=神)に従うことが必要なことを、あくまでも忘れてはならない。そのことを、論理でなく、五感によって伝達する手段が、芸術である。そのような真の芸術というものを、農民の立場で生み出すことに、一生をかけたい。「北海道農民管弦楽団」も一二年目に入り、今年こそ農民芸術学校開校に向け、具体的に動き出すつもりである。
2005年03月14日更新
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世界社会フォーラム/辺野古米軍基地建設を世界が注視
 二〇〇五年の世界社会フォーラム(WSF)は、一五万人、二五〇〇団体が参加して行われた。会場も一昨年の大学キャンパスからリオ・ガイバ川周辺へと場所を移して、広大な会場が用意され、昨年インド・ムンバイでのWSFを引き継ぎ、「戦争と経済のグローバル化に反対する」ことが大きな柱となった。WSF最終日の反戦総会では、三名のイラクからの参加者がスピーチして、米国の戦争・占領政策を批判した。
 特に注目すべきことは、反戦総会の中で沖縄辺野古米軍基地建設問題に注目が集まったことだ。「日本サイドから事前に問題提起や働きかけをした結果でもある」(小倉利丸・WSF日本連絡会)のだが、総会最終文書の中に「WSFは、今後辺野古に注目する必要がある」旨が明記された。辺野古での非暴力直接行動による抗議活動が、世界の共感を呼んだと言えよう。
 今回のポルトアレグレでの世界社会フォーラム(WSF)は、ブラジルの労働党政権が、ある種「国策」として打ち出すという側面があったという。ブラジル国営企業がWSF開催に協賛したり、WSF参加のためのビザ取得手数料を無料にするといった便宜も図っている。また、ルラ大統領本人がWSF会場でスピーチをし、つい最近、国民投票で信任されたベネズエラのチャベス氏もWSFに参加し演説している。
 しかし、一部で言われているような「世界経済フォーラム(ダボス会議)と世界社会フォーラム(WSF)の相互乗り入れ」というのは、些か先走りした解釈のようだ。今回のWSFは、ムンバイの時とは違って、主催者側が大きな集会を主催するという企画はほとんどなく、参加者がおのおの企画を持ち寄って全体が作られたため、ある参加者が世銀やWTOを呼んで集会や会議を行うということは、WSFの原則からいっても当たり前だからだ。「むしろ、ダボス会議の方が途上国政府を取り込もうという動きは以前からありましたから、そうした動きをどういう脈略で解釈するのかという問題だと思います」(小倉利丸さん)というのが実態に近いようだ。実際、フォーラムで世銀幹部の「ミレニアム開発ゴール最終年を評価する」という発言に対し、会場からブーイングが起きている。
 来年WSFは、開催されない。その代わりに各地で地域フォーラムを開催する計画である。理由は、ブラジルに来れない人が多くいるためで、地域フォーラムを各地で行うことで、全体として参加者を増やし、地域間の交流も促進しようとのもくろみだ。アジア地域フォーラムは、三月下旬にバンコクで準備会議が行われ、四月にパリで開催される国際評議会で確定される予定。
2005年03月13日更新
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有効な対立軸になり得る「協同と競争」原理
 直売所が2万ヵ所を超えた。ブームである。顔の見える人への安心感、海外産に対抗できる流通の仕組みが実現する価格、絶対負けない鮮度、豊富な品揃えなどが人気の秘密である。
特に成功している直売所は、「協同と競争」の原理が機能しているところだ。値段は自分で決められるが、残ったら引き取るルールがある。売れ残らないためには、人より安く、鮮度よく、量目を多く、人の作らないものを出荷すればよい。この切磋琢磨の競争により、品質と品ぞろいが良くなる。多様性を生かした協同の店づくりである。こうした創意工夫は出荷する人を生き生きとさせ、またそれが訪れる人に響いていく。
 ファシズムや宗教的熱狂が語る「協同」という名の排除システムと違うのは、ここには「協同の経済システム」が機能していることだ。加入・脱退の自由、一人一票、という自由と民主の原理を前提に、一人勝ちが出来ない売り場の仕組み、客が少ない時には出荷を控える縮小均衡できる能力、過度の競争をコントロールできる信頼関係、情報の独占排除、不正への断固とした態度、これらは「協同経済」システムの要素である。
 農業生産者がこの「直売経済」に習熟し、地域経済モデルとして自覚的に取り組んだ時、すでに「再魔術化する世界」に対抗する軸を作り出している。それを「土と水の多様性の世界」と言ってもいい。(I)
2005年03月10日更新
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JR高槻駅前再開発
 本紙が一貫して追究してきたJR高槻駅前再開発。再開発をめぐる疑惑についてはバックナンバーをHPで読んでいただくとして、関西大学は、先日ここに三〇階建ての高層ビルを建てる構想を発表した。幼稚園から大学院までの教育が、一つのビル内で受けられるのだそうだ。学生運動鎮圧に苦労してきた法大や明大のタワー化志向が関西にも伝染してきたのだろうか?
 新しい形のキャンパスを造って改革に積極的な姿勢を内外にアピールする狙いだというのだが、新聞に掲載された完成予想図を見て、「おおーッ、激しく視野の狭い学生が育ちそうだな」と、思ったのはボクだけだろうか?
 近くに砂場がない幼稚園で育った子どもと遊びたくないなぁ、とか、どうせならスーパーや病院、お寺やお墓まで併設して「人生一貫」にしたら、とか、幼稚園→大学院までエスカレーター式(いやエレベーター式というべきだろう)で登ったあげく、就職難で屋上から……とか余計な想像はともかく、改革に積極的=箱を作ること?
 大学は労働力商品生産工場だし、社会の中で実質的に果たしているのは資本にとって有用な労働力の選別機能にすぎないと思っているけれども、ここまで露骨に工場っぽいとヤダなぁと思ってしまうのは、まだ大学に対する幻想が残っているということか。(T・S)
2005年03月08日更新
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 マルクス『資本論』
 マルクスの『資本論』がひそかなブームになってるとか。途中で本を投げ出した、苦い経験を思い出すなぁ。
 マルクスの本を読んで、理解できたことは皆無に近いのだけれど、「重要なのは世界を変革することだ」の言葉は良く覚えている。
 マルクスの思想が現代でどう活きるのか、は分からないけど、この世の中を変えるヒントになったらしめたもの。また挑戦してみようかな。(ろ)
2005年03月07日更新
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「風俗」の「韓流ブーム」!?その背景とは?
 最近、とみに街中で「韓国エステ」「韓国マッサージ」などという看板が目に付くようになった。「冬ソナ」でテレビドラマの「韓流ブーム」が起こったが、もう一つの「韓流ブーム」が、「風俗」の世界で起こっている。
 直接的背景は、韓国政府が、昨年一〇月「売春防止特別法」を施行し、風俗営業の取締りを強化したことだ。女性団体が主導してまとめられた同法は、性購買者である男性を「一年以下の懲役または三〇〇万ウォン以下の罰金」に処するように定め、性を売った女性は被害者と見て処罰しない。職を失ったセックスワーカーたちが抗議デモを行い、大きな社会問題ともなったが、売春女性側を処罰し、買春男性側はお構いなしする日本の法とは全く逆に、性産業に従事する女性達の人権を保護するという発想だ。
 ところが、韓国で働けなくなった彼女たちが目指したのが日本であった。折しも日本政府は、「愛・地球博(愛知万博)」開催に伴って、三月から九月までの九〇日以内の短期滞在に限り、ビザを免除するという入国緩和措置を打ち出した。
 セックスワーカーの多くは、借金を抱えている女性が多いため、セックスワークをやめることもできず、規制の強化された韓国から何の規制もない日本へ移動しているのだ。
 日本は、米国務省が昨年六月に発表した二〇〇四年版「人身売買報告書」で、「政府による国際的人身売買への対応が不十分だ」として、監視対象国に挙げられた。報告書曰く、「日本は、アジア、中南米、および東ヨーロッパから、強制労働や性的搾取のために売買される女性や子どもの目的地となっている。日本における人身売買は大きな問題であり、国際的に活動をする日本の組織犯罪集団(ヤクザ)が関与している」
 買春は、強制的に女性の性を商品化し、女性の人格を踏みにじる。今年は、「日韓国交正常化四〇周年」として、韓国との友好関係を強めて、さらに韓国人観光客を呼び込もうとしている。かたや買春取り締まりを強化した韓国と、国際的に「要監視」とされている日本。どちらが人権先進国かは、明らかだ。(編集部 せんべい)
2005年03月05日更新
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脱北者の亡命ルートと中国政府の対応
 脱北者の一部には三八度線を直接越境してくるものもいるが、衛兵や高圧電線、地雷原に阻まれ、途中で命を落とす事が多いため、決して主流ではない。漁船での集団亡命も朝鮮戦争直後は数多く行われていたが、長く姿を消していた。それが食糧難となった九〇年代半ばに復活した。
 主にまず中華人民共和国に脱出することが多い。しかし、中国は脱北者問題を中朝両国の問題として処理し、北朝鮮への即時送還を原則にしている。 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、中国政府は二〇〇〇年、最低六〇〇〇人の脱北者を強制送還したとされる。それでも脱北者が根絶されないのは、国境警備に当たっている兵士たちが脱北ブローカーに買収され、彼らが事実上協力しているからだ。そこで、金正日政権は、警備の軍を頻繁に入れ替えるという策を取り始めたというが効果は表れていない。大抵は川幅が狭く、冬季に凍結する豆満江を渡り、延辺朝鮮族自治州の朝鮮族にかくまわれる。
 うまく中国への潜入に成功した者の中の一部は、韓国などから支援があったり、各国大使館や外国人学校などに逃げ込み、助けを求める。その後、多くが同胞の韓国に亡命する。
 モンゴル経由の亡命もあったが、近年は国境付近での中国側の摘発が厳しくなっており、中国には長く潜伏せずに通過し、東南アジア経由で第三国に亡命する人が増えている。
 韓国に亡命する脱北者は急増しているが、さらに中国、東南アジアに潜伏していると思われ、その潜在的な数は数十万人になると推測されている。
2005年03月02日更新
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