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編集一言2004年08月ログ

最近、身近でグローバリゼーションを実感すること。
 その一。私の故郷は田舎なのだが、この頃頻発する地方での「少年犯罪」などを見るにつけ、「田舎の方がのんびりして良いんだよ」という根拠のない思い込みが裏切られた(?)思いがしている。
 その二。「何事も我れ先にやりたがる」「お上を恐れない」「善悪より損得」なのが大阪人気質だとされる。ところが、「引っ越して、たまに大阪に帰ると、最近はコテコテのノリの良さがなくなってるね」なんて話を聞いたり、青空カラオケ・野宿者の強制排除の時の「お上」に付和雷同的な「世論」(反対する声もあるけれど)を見聞きすると、地方特有の文化・人柄や「反権力」の気質も変わっていくのかな、と思う。
 画一化に屈して、人情もなく、平然と権力の肩を持ってしまうような「大阪文化」でしかないなら、そんなもの早く消えてなくなれ。 (小比類巻)
2004年08月29日更新
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金正日暗殺未遂事件発生 「携帯」使用禁止
 参院選における争点の一つは、小泉外交の可否を巡ってです。彼の外交の柱の一つは「向米一辺倒」ですが、言い換えれば「中国無視」です。
 彼は、自民党の支持組織の一つである「日本遺族会」の票を当てにして、毎年靖国神社に参拝しています。中国にとって靖国神社はA級戦犯が祀られている宗教施設であり、これでは小泉訪中に「イエス」を出せません。
 それで、日中両国首脳の相互訪問が小泉政権以降途絶えています。極少数の遺族会の票をおもんばかるばかりに、日中外交が停滞する。日本にとって対中外交は、そんなに軽いものなのでしょうか。
 特に今、日中両国を含む東アジア地域の情勢は、激変の時期を迎えています。これは既に触れたことですが、前回の六者協議を目前にして、「北朝鮮の貨物船が核濃縮に必要な溶媒を積んで中国近海を北上中」との情報を米国務省から伝えられた中国は、海軍艦艇を東シナ海に出動させ、洋上でその貨物船を停船させ、指定された積荷を没収します。
 これは、米中両国間で「北朝鮮の核開発阻止」の共同行動が実現した一瞬でした。このことは、北朝鮮にとって自主核武装の放棄、中国の「核の傘」の下に入ることを意味します。
 先日のキム・ジョンイルの訪中は、これを確認するための儀式でした。だが、これまで、「自主・独立」を国家のアイデンティティとして掲げてきたキム・ジョンイル政権にとって、これは大きな政治的転換を意味します。
 この北朝鮮の国家としての地位の大転換は、国内に、特に「自主・主体」を国是とし、これを押し進めてきた人たちにとっては「キム・ジョンイルの裏切り」であり、大きな怒りを呼び起こします。
 訪中したキム・ジョンイルは帰路の途中、大規模な列車事故に遭遇したと報道されましたが、この真相はキム・ジョンイル暗殺未遂事件でした。線路が爆破され、危うく彼は難を逃れましたが、鉄道網とその周辺は大変な災害を被りました。
 その後の報道によると、事故現場から携帯電話が発見され、それによって北朝鮮国内で携帯電話の使用が禁止になった、と伝えられています。
 日本人は、北朝鮮が「自主防衛」を放棄し、「中国の核の傘」の下に入ることについて、余り関心がありませんが、「自主防衛」を国是としてきた北朝鮮にとっては大変な問題なのです。長い中朝間の歴史で、歴代の中国王朝は朝鮮を属領扱いしてきたため、これは深い恨みとして朝鮮の人々の心の中に残っているからです。
 何かのきっかけで、この歴史的な怨念が噴出する、という緊張を両国ははらんでいます。
 今回のキム・ジョンイル殺害未遂事件の根底にあるのは、朝鮮民族の中国民族に対する歴史的に積み上げられた深い怨念です。
 六者協議で北朝鮮の核放棄は実現するでしょうが、むしろ、これによって、中朝両国間の感情的なわだかまりが深まる、という中朝両国間の微妙な感情的な問題に日本はどう対処するのか、答えを探していかなければなりません。
 小泉首相は、北朝鮮が中国の「核の傘」の下に入ったことに対抗して、米国が開発したMD(ミサイル・デフェンス)の導入に賛成しています。こんな高価な、しかも命中精度の低い兵器を買うのは、税金の無駄使いです。
 核を巡って、中朝間でこれだけの緊張をはらんでいる現在、日本がすべきことは、米国の核兵器を導入し、更にこれに追い討ちをかけることではありません。核から手を切り、朝鮮半島を巡る東アジア地域に非核地帯を設定することです。
 これに日本がイニシアチブを取るためには、日中両国首脳の相互訪問が不可欠です。靖国神社や遺族会という狭い身内を優先していられる悠長な時代は過ぎました。(W)
2004年08月28日更新
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呆れるほど執拗な創価学会=公明党の選挙妨害
 辻元候補に対し、創価学会=公明党は執拗な選挙妨害を行った。候補者が商店街などで握手して歩いていると、すぐ後ろから中年女性が携帯電話を使って集まって、「この人犯罪者やから票を入れたらだめよ」と、ふれて回る。団地などで辻元氏に手を振る人がいるとチェックして、「あの人は、応援してくれると言っていたのに辻元に手を振っている」という様なチェック体制も敷かれていたという。
 電話による非難や嫌がらせは日常茶飯事で、終盤戦になると「辻元は通るから公明党の候補に!」と言う電話がかかるようになったという。いずれも「犯罪者」という統一した非難の言葉を使うのが特徴。序盤ではマニュアルを見ながらの非難もみられ、明らかに組織的。呆れるばかりのやり口だ。(編集部)
2004年08月27日更新
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共産、社民の惨敗を乗り越える展望
 落選議員の全国最高得票718,125票を獲得しながら、総力戦の自民候補に17,000票差で惜敗した辻元清美(社民離党、無所属)の地元高槻市・島本町(衆院大阪10区)の選挙結果は次の通り。
 1位辻元60,079票、2位尾立(民主)39,514票、3位北川(自民)28,953票、4位山下(公明)28,638票、5位宮本(共産)16,767票で、辻元は断然トップである。前々回衆院選(00年6月)の辻元55,839票(当選)、石垣(公明・自民推薦)55,108票(次点)をしのぐ。今回も自民・公明合わせて57,591票、辻元票に2,488票届かなかった。この得票なら、次回衆院選は辻元当確だ。
 彼女は周知の通り3年前に秘書給与問題で議員辞職、逮捕拘留され、有罪判決執行猶予中の今回出馬だった。地元支持者の間では、議員辞職の批判や「時期早尚」という声もあり、もちろん前回の熱気はなかったが、大衆の小泉政治への危機感は、予想以上に辻元への期待感となって現れたといえる。
 敗れても辻元の表情は明るく、地元支持者は、次回衆院選勝利はもちろん、小泉自公内閣の打倒、自衛隊のイラク撤退、年金改悪撤回、改憲阻止に向けて自信さえみなぎっている。共産、社民の惨敗を乗り越える展望は、辻元選挙の中に少し視えてきたのではないか。(F)
 
2004年08月26日更新
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「裁かれるのは誰か」
 世代が違うので1970年代の大学闘争について詳しいわけではないのだが、「大学の存在をめぐっての闘争」であったと聞いている。資本と権力によって一方的に歪まされた「公害」に対して、大学と科学のあり方を自ら問うた側面があったのだそうだ。だから「大学解体」だったのだが、解体し損ねた結果、大学は「権力側専門家排出機関」と化したようだ。
 聞くところによると、原発の使用済み核燃料の「処分」について、核燃料サイクルと直接地中保管との試算結果を、政府が隠蔽していたそうだ。直接地中保管の方が1/2〜1/4だった(それでも5兆円だが)ために、核燃料サイクルの推進に悪影響が出るのを怖れたのだそうだ。
 「本当に公表されると、単価上推進不能となる」「日本では直接処分が議論されていないので公表すると混乱する」「個々の施設のデータまで積極的に公表する必要はない」―など、聞くに堪えない。彼らは本当に社会を代表する専門家なのか?
 「裁かれるのは誰か」とは、原田正純氏の著書の題名であっと思う。権力と資本に荷担してミナマタを隠蔽した科学者は裁かれず、患者のみが社会的に裁かれる理不尽さを言い表していた。人民のための「現場の科学」は、誰によって確立されるのだろうか?およそ科学者と思われぬ輩は、誰が裁いてくれるのだろうか?科学が人民の側に立つ日は来るのであろうか?(K)
2004年08月11日更新
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パレスチナ日誌
 高さ8bの「分離壁」は、イスラエルによって建設が続けられ、相変わらずパレスチナ人の生活は破壊され、息苦しいゲットーへと押し込められている。

◇イスラエル軍のアシュケナージ副参謀長は6月30日、イスラエル最高裁が「分離壁がパレスチナ人の人権を侵害している」と一部用地の収容決定を取り消したのを受けて、建設ルートを一部変更することを明らかにした。総延長700`中、エルサレム周辺で現在計画中の約30`が対象。与党リクードの内部では「分離壁に対する最高裁の判断を禁止しろ」とする無茶な強硬論も存在するという。

◇訪米中のシャローム・イスラエル外相は7月2日、分離壁問題について「我が国は国際司法裁判所(ICJ)による外からの介入を受け入れることはできない」とICJの勧告を拒否する意向を示した。ICJは、今月9日に分離壁建設が国際法上違法かどうかを示す「勧告的意見」を出す予定になっている。

◇イスラエルのアラブ系国会議員、アズミ・ビシャラ氏が4日、パレスチナ議会議員を含む数十名とともに、イスラエルが建設を強行している「分離壁」と、それがパレスチナ人にもたらしている苦境に抗議するハンストを開始した。ハンストは、東エルサレムの「分離壁」建設現場近くに設営したテントで行われている。
2004年08月06日更新
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日本でも拷問は公然と存在している! 西日本入管は日本のアブグレイブ刑務所だ
 五月三〇日、大阪・高槻市でRAFIQ(在日難民支援ネットワーク)の勉強会が行われた。今回のテーマは「拷問等禁止条約の観点からみた入管の実態」。イラクでは、米兵によるイラク人への虐待・拷問が壁の中で行われていたが、日本の「壁の中」では一体どんなことが起こっているのか?
 「職員による暴行・レイプ。週二回のシャワー。許可を得なければ、電話は自由にかけることができない……。居室の鍵を開け、ブロック内のみ自由に歩ける「居室開放」に関しては、東京では一日中行われていたが、西日本入管では週二回・各一時間ずつ。全く同じオーバーステイの状況等で収容されても、同じ国内でありながら処遇に差がある。平等原則に反すると言っても、予算や人員の少なさなどを理由に公然と、NGOをはねつける。そんな状況が、つい一年前まで行われていた」(田中)。
 RAFIQから、大阪・茨木市にある西日本入管の処遇が報告される。西日本入管では、一年前に大幅な「処遇改善」が行われたが、その内容はヨーロッパの『最低基準』にも満たない。ヨーロッパでは、電話・居室開放・シャワーに関しては「自由」なのが当たり前である。日本はつい一年前に、やっとその状況になったという。

「密室は人を豹変させる」

 また、被収容者に運動を与える時間も、ヨーロッパでは「一日最低一時間」としているが、日本の入管では「平日のみ各四五分」しかなく、ヨーロッパの最低基準を下回る。その他にも、平日は自由に使えるようになったシャワーが、週二回は水しか出ない、食事の内容が多くの被収容者に不満を与えていることなどが報告された。
 「最近、西日本入管から難民申請者が、毛布に簀巻きにされて送り返されたという報告がある。NGO等の面会支援が減ると、入管は簡単にこういったことをする。監視態勢のない収容所や拘禁施設では、こういった状況が当たり前に起こる。何もイラクが特別なわけではない」(青木)。
 イラクでは、日本の収容所とは比べ物にならないほどの虐待が行われていたが、日本でも数年前までは全く同じような状況が公然と存在していたし、NGOや国家の監視態勢がなくなれば、すぐにイラクと同様の事態が引き起こされる。それほど、「壁の中の密室は人を豹変させるものだ」という。
 「暴行や虐待を加える他にも、毛布に簀巻きにする、言葉で陵辱するといった行為は、拷問等禁止条約でいう『品位を傷つける取扱い』として、立派な拷問といえる」(広瀬)。
 普段の生活の中では、あまりに遠い「拷問」という言葉だが、実はすぐ近くの入管や拘禁施設では、日常として行われていた。
 日本国内にも、拷問は公然と存在しているのだ。(T)
2004年08月05日更新
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小泉内閣のアキレス腱=公明の頭上に冷水を!──竹林伸幸
「戦争反対」の公開質問状への回答をはぐらかす公明党

1 七・四東京行動レポート
 当日午前一〇時、私たち「市民有志」計三名は公明党本部に到着。すると、出迎えのガードマンから「一名なら中で会えるが、二名ならダメ」という回答。結局、「責任者」一名が出てきて、玄関先で応答を開始しました。
 ところでこの「責任者」山田氏は、なんと前回(四月二四日)本部を訪れた時に対応した「責任のない職員にすぎません」と自己紹介した三人のうちの一人であり、今回も名刺を提示しないだけでなく、フルネームや役職名すら明らかにしませんでした。
 それでも折角の機会ですから、私たちは公開質問状にしたがって回答を求めたのですが、例えばQ3「九条改憲」については「NO」と答えましたが、直後に「個人的な見解ですが」との断りが入ったり、その他の重要項目については全て「政策審議会で回答作成中」(最初の公開質問状から既に半年!それでも「待て」といわれるのでしょうか)との返事。

2 公開質問状運動の目指すもの
 公明党は、小泉内閣のアキレス腱であり、議員三五〇〇名を擁する「得体の知れない」マンモス政党です。私たちの運動は、このマンモスに手製の弓矢で迫る原始人(!)の闘いかも知れません。
 「弓」は公開質問状であり、「矢」はビラです。とりわけ、ビラはこれまで約二万枚に達しました。これがマンモスにジワリジワリ、効かないはずはありません。
 私たちの運動が、学会・公明の中の有志とも連動する時、日本の未来にもよい影響を及ぼすことが出来るでしょう。前途には多くの困難と有為曲折が予想されますが、一歩一歩闘いの地平を拓いていきたいと念願します
2004年08月04日更新
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「犯罪を予防する」という「割れ窓理論」ってナンだ
弾圧の手段としての「割れ窓理論」

 近年脚光を浴びている最新の犯罪抑止政策に、「割れ窓理論」(Broken Window Theory)というものがある。
 この理論は、一九七〇年代にアメリカの学者によって生み出されたもので、「割られた窓があるビルは、管理が行き届いていないと判断され、次第にビルは荒廃していってしまう。そのうちに荒廃は街へと飛躍し、最後には街全体がスラム化してしまう」という理論から成り立っている。
 つまり、それを防ぐために微罪を警察に取り締まらせ、監視を強化させる必要がある──と説いているのだ。
 その「効果」はてきめんだったようで、「割れ窓理論」を採用したニューヨークでは、警察の増員と、徹底した徒歩パトロールや、軽微な犯罪の取り締まりを遂行した結果、すっかり「清潔」になったそうである。日本の行政当局もこれにならった街作りをしている。
 しかし、この理論には、警察による弾圧の強化と行き過ぎた監視を「犯罪の予防」として、完全に是認してしまっている問題がある。

「これからはどんどん取り締まっていく時代」

さらに、警戒すべきデータがある。先日開かれた立川自衛隊監視テント村の公判報告会の席で、メンバーの一人から、「取調べに当たった公安二課の刑事が割れ窓理論を持ち出し、『微罪を取り締まることによって凶悪犯罪を防げる。これからはどんどん取り締まっていく時代になった』と発言していた」という報告があったのだ。
 弾圧を実行している当事者の発言であることを考えると、これからは、「防犯」カメラでデータを収集された我々が、片っ端から拘束されるという事態も起こり得るようだ。

「安全」な国家の元で生活や思想を制限されるなんてまっぴらだ!!

 その上、今国会で年金問題や日朝交渉の影に隠れて、我々の生活を制限しかねない法案がいくつか提出された。その一つが「著作権法改正」だ。これは、本来は「逆輸入CD」の国内流入を防ぐものであるが、正規のルートで販売されている物を規制することは、本来不可能なはずだ。それを法によって規定してしまったために、消費者は、これからは以前より高い値段で買わなければならなくなる。
 もう一つが、「児童買春・児童ポルノ禁止法改正案」だ。この法律は、いわゆる「援助交際」や、児童ポルノの販売などを禁じた法律であるが、今回の法改正で我々の生活に影響を与えかねないものになってしまった。
 具体的には、「特定少数間(友人間)での児童ポルノ画像受け渡しの禁止」や、「単純所持の禁止(罰則はなし)という規定まである。日本での「児童ポルノ」の規定が「一八歳未満」であることから判断は困難(一六歳か一八歳かなどは容易に判定できない)で、それ故に弾圧に利用されてしまう危険がある。個人レベルの所有が「児童の人権保護」につながるのかも疑問だ。
 こうした「見るもの」、「聞くもの」を制限する法律が、「割れ窓理論」と一体となってやってくる時、かつてないほどの弾圧が我々を襲うのだろう。私たちは、「安全」な国家の元で思想や行動を制限されながら暮らしていくのか、それとも自由を獲得するために闘っていくのか、という選択を迫られている。    (田中大也)
2004年08月02日更新
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